令和元年12月8日(日)に、台風19号の影響により関東はじめ、東北、東海、北陸などの都市で中止されていた一級建築士試験の製図試験の再試験が行われました。受験生のみなさんおつかれさまでございました。10月13日の試験中止からおよそ一か月半の期間、試験にむけてのモチベーションの維持など調整もたいへんであったでしょう。
手応えのほどはいかがであったのでしょうか?予備校ですとすでに解答速報などが発信されており、その解答例などをみている方も多いかと思います。
今回のブログでは前回同様、私自身が再試験の解答をしてみました。私の個人的な感想もふまえ、もしひとつのご参考になるのであればご覧ください。
再試験の内容とその難易度は?
内容
いやあ、あれほどブログで私が予想として言っていた連結がでませんでしたね。
道路斜線に関しては出題されましたが、今回の試験では駐車スペースを確保しようとするとそれなりに建物をセットバックする必要があるので、あまりひっかる要素ではありませんでしたよね。せいぜい失格する可能性をあげるならば、夢中にプランニングして建蔽率がオーバーていうのはあるかもしれませんね。でも10月13日実施の試験を解答しているのであればそれも気をつけることができるでしょう。
難易度は?
さて、今回の再試験、一級建築士の資格予備校各社に掲載されたホームページによる総評から難易度評価に関してを探してみたのですが、前回ほどはっきりは語られてはいませんでしたね(見落としていたらすみません)。
私が試験問題を見てまず感じたことは、「あれ、本試験の内容をけっこう踏襲している内容になっているな」でした。
なので最初はとりかかりやすいぜ!という印象はありましたね。でも実際解きすすめてみると、10月13日の試験内容よりもプランニングしずらい印象がありました。
なので私個人の見解としては「難しい」レベルなのではないかなと思います。
パウレタの再試験解答例
今回は後輩くんから問題を試験後すぐみせてもらい解答してみました。とは言いましても本業に追われ、この時期にブログ更新となってしまいましたが。。
再試験に関しても問われている内容、要望が多かったなという印象ですね。課題文の読み込みに40分以上かかってしまいました。プランニングに関しても時間がかかりました。。
ちなみに今回も時間がありませんでしたので、解答はエスキスまでとさせていただきます。細かい什器の表現や断面図もPSも記述も省略しました。どうかご了承ください。
※掲載する解答プランは私個人が行ったものです。模範解答ではありません。そこのところはご了承ください。前回同様、合格発表までの参考、もしくは「話題のネタ」のひとつとしてご覧いただける程度のしろものでございます。
(プラン画像の無断転用はお断りいたします※このホームページのリンクを貼る程度ならOKです)
断面構成(部門の階振り分け)の考え方
今回の試験問題では断面構成、つまり階ごとによる部門振り分けに関してはすんなり決まりましたね。それがこちらになります。
まず屋上庭園が2階という指定で、さらに市民アトリエがそこに直接出れるようにという要望でありました。
多目的ホールについては、計画の要点の(1)を読むと、多くの客の流れを考慮する空間構成について記述しないといけないことになっておりました。私はこの記述に引っ張られた感じがありましたね。
もちろん受験者の中で
『2階にホールっているのはどうなのか?』
という方もいらっしゃるでしょう。市民アトリエは人があつまってにぎわう場所でありそうだから、近い性質であるホールをもってくるというのは言えそうですが、この建物の規模で大勢の人が縦に移動してホールというのは施主に対して説明はしにくいかなと私個人としては思いましたね。
プランA
そんな上記の考え方から導き出した私のプランがこちらになります。
ど、どうぞ。。
<プランA面積表>
建築面積:24×38+1×4 916㎡
床面積:
1階 24×38 912㎡
2階 24×14-6×7+6×24 438㎡
3階 24×14-6×7+18×24 726㎡
合計 2076㎡
読まれている方は気が付かれましたか?
そうです。私がこのAプランで最終的に提案した構成はこちらの図のようになっています。
おさまらないと途中で判断し、市民アトリエを2階、そして3階に展示室とその他のアトリエ諸室をもってくるかたちに妥協してしまいました。
こうせざるを得なかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。さて、このパターンの人の運命はいかに。
プランB
先輩に指摘されながら、けっこう時間をかけて当初の断面構成でおさめたプランがこちらになります。
<プランB面積表>
建築面積:22×41+1×6 908㎡
床面積:
1階 22×41 902㎡
2階 7×14+22×20-7×6+7×7 545㎡
3階 22×27-7×6+7×14 654㎡
合計 2101㎡
まあ、こうなると部門の振り分けもクリアになっていいですよね。
私はどうしても短手方向を4列にするという頭から離れられなかったんですよね。まあ、3列にしてみる勇気がなかったという感じでしょうかね。
まとめ
さて、みなさんはいかがでしたでしょうか?
今回は少し私自身の見解が階の構成に影響し、パターンとしての選択肢が少なくなってしまいましたね。でもこの2つの解答パターンが少しでも皆さんの話題のネタになっていただけたら幸いです。
どのポイントが合否の分かれ目はどこになってくるかは受験者のみなさんの解答傾向と試験元の匙加減ですね。
まあ何はともあれおつかれさまでした。あとは2月5日の合格発表を待ちましょう。
↓令和元年10月13日に実施された一級建築士試験製図試験の解答はこちらのページで行っております。ご興味ある方はご覧ください!
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