一級建築士試験の勉強方法

建築士の仕事は将来なくなる?2020年度法改正で実務範囲拡大

 令和2年となり、ついに新しい建築士制度がスタートします!なかなかの大きいこの変革に、私たち建築士も期待したり不安視になったりです。

たしかにどうなっていくのか楽しみな部分もあったりなかったりというのはわかるよ
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
ですよね

 そんなこの制度の変革は大きく3つあります。

 まず1つ目建築士試験の受験機会が拡大により 実務経験ゼロでも受験ができるようになったということです!建築士の試験を受けるにあたり、実務経験が受験要件から免許登録要件に改正されました。

 そして2つ目学科試験合格の有効期限が3年から5年に延長可能となりました。学科試験に合格後の設計製図試験4回のうち2回は学科試験を免除できるようになったわけです。

パウレタ(一級建築士)
これも建築士の働き方を変えるひとつのきっかけとなりそうな気がしますよね!

 そして3つ目が「実務経験の対象実務の拡大等の法改正」です。

 ここも私をはじめ、若いこれからの建築士にとっては将来建築士としてどう社会にかかわっていくかを考えさせられるものであると個人的には感じております。テクノロジーが発達するにつれて10年後、20年後、建築士の仕事はどんどんなくなってしまうのではないかと危惧している方も多くいらっしゃることでしょう。

 そこで今回は上記の内容を掘り下げながら建築の仕事が将来どうなっていくかを考えていければなと思います。

拡大される実務経験の適用

 新たな実務経験の対象範囲がどのようになったかをご紹介していきましょう!

 内容としては以下のようになり、赤字部分が今回見直しにより追加する実務となっています。

建築物の設計に関する実務

    

 ここからより建築をつくるという行為が多様な視点からつくられることに対しての専門家が増えていくということに考慮されてるようにうかがえます。より分業しながら建築というものを設計するという方法が働き方としても有効になってくるでしょう。

CADからBIMへってね
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
テクノロジー的には設計分野はなんとなく遅れがある実感がありますよね。今後どんどん展開していく状況においてないようにしないと

間に合わない部分は今後はよりテクノロジーに頼っていくということも大いに考えられますのでさらに範囲はひろがっていく可能性が高いのではないでしょうか。

建築物の工事監理に関する実務

建築工事の指導監督に関する実務

建築物に関する調査又は評価に関する実務

 昨今、未来に向けて建物をどう建てて、それを維持していくかという制度が増えてきました。設計者はその書類作成における知識の習得や技術におわれながら仕事をしています。そして同時にその設計内容を精査する人材も必要であり、検査機関もその作業におわれているということをよく聞きます。制度が生まれるということはそれをよく知るものがいなければ成り立ちません。この有識者という存在は、テクノロジーの発達まではかなり重要な人材となるのではないかと考えます。

パウレタ(一級建築士)
ここらへんはどんどん制度ができてきて、その新しい知識や技術を自分のものとして入れていくのが本当にたいへんです。国の方針に引っ張られるのもまた建築士の宿命といえばそうなんですけどね

建築工事の施工の技術上の管理に関する実務

 工事における専門家も昨今少なくなり、設計者の取り合いになっている現状です。特に技術が発展してゆくなかで工事に関する職人の技術は手先もありますが、より規模が大きくなっていくとテクノロジーとどう融合しながら実現してゆくかというのが必要になってきます。特につくるための施工図に関しては、作り手側がよく熟知していないといけない部分は実はとても重要であるのは私自身実感しているところであります。

 今後はより専門性の高い建築士が必要とされる時代になっていくでしょう

パウレタ(一級建築士)
AIやら3Dプリンターやら未来の技術の出現してきましたが、それをうまく操るのはやはり人間であり、調整するのも人間なんですよ。まだまだ私たち人間も需要がありそうです笑

建築・住宅・都市計画行政に関する実務

 このように行政の実務がより明確に記載されたことによって行政で働く建築士の仕事が明確に把握できるようになりました。行政の仕事はこれからもあり続ける中で、建築士としてどう活躍できるのかが、受験者目線からもわかりやすくなったのではないかと思います。

パウレタ(一級建築士)
審査するという立場が多いなかでたいへんな部分もありますが、まちを運営していくうえでも行政にかかわる建築士は重要な存在です

建築教育・研究・開発及びそのほかの業務

 建築士をただ増やせばいいわけではありません。資格に相応な人材をきちんと社会におくりださなくてはいけません。すかすかの技術や知識な建築士では困りますからね。そのためにはしっかりした建築教育が必要になってきます。教育は建築の実務かという点を明確にしたことは大きいですね。そしてさらなる技術発展のためには研究と開発もなくてはならないものです。ここにおいても建築士の実務として範囲がひろがっていくというも大きい意義があるのではないでしょうか。

実務経験の審査方法の厳格化

 今回改正された実務範囲の拡大にあわせて、その申告に係る第三者の証明についても改正がなされました。具体的には建築士事務所での実務の場合は原則として管理建築士又は所属建築士に、建築士事務所以外での実務の場合は原則として法人による証明に限定されることになりました

 この部分っていがいといい加減だったんですよね。たとえば実務経験を積んだかどうかわからない人に対しても、ちょっと知り合いってだけで実務経験の証明が建築士ならできていたような状態であったわけですよ。それってちょっとおかしいのではないかなと私自身感じていました。それがきちんと文書として記されることはとても大事だと私は考えます。きちんとしたお墨付きの建築士が生まれるための良い改正内容であると思います。

まとめ

 このように、近年における建築事情をふまえながら、建築士は設計・工事監理を行うというだけでない「建築物の総合的な専門家」としての役割を果たすことが求められてきています。

 これから建築士を目指そうと考えられている若いみなさん!日本における設計や建設に関する仕事はこれからどんどん減っていくとは思いますが、建築士の仕事はなくならないです。建築は総合的な工学であることから、建築といえば設計というくくりになってしまいがちな部分をこうしてより広範囲に建築実務を記したことに対しては私自身おおいに賛成している次第です。

パウレタ(一級建築士)
たしかに私たち設計者としては本来目指していた設計の仕事が減ってしまうのは残念でありますが、時代とともに私たちが持つ建築士という資格は変わっていかなくてはいけないということなのだと思います

じゃあ、設計できないならどんなかたちで建築にかかわっていこうと思ってるの?
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
それはこのブログをとおしてもっと勉強していきますよ

 より建築士の行える実務が法制度としてひろがりができたということは、建築に関する問題が増えていくことがより明確にあらわれてきたこと意味しているわけです。そこからまた建築士の新たな職能が生まれ、それに対して私たちは技術を常にみがいていく、そんな時代になってきているということでしょう!そこに新たな可能性が含まれていることにワクワクを感じて建築士を目指してもらえると私はうれしいです。

★国と交通省ホームページ「新しい建築士制度の概要」より新たな実務経験の対象範囲部分を引用しております

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