建築学生へアドバイス

建築学生に向けた大学院進学のすすめ!準備と入学後やるべきこと

201910月に行われた消費税増税20202月あたりから世界、そして日本に流行しはじめたCOVID-19(新型コロナウイルス)、さらには東京オリンピック2020の延期決定(324日の決定ではあるが今後どうなることか。。)と、これから景気が後退し、就職事情も確実に冷え込むでしょう

ではそんななかで建築学生はどう動いたらいいか。そのひとつに大学院の進学という選択肢があります。大学院生でも一級建築士試験の受験ができるようになり、上記の社会情勢もふまえ、これから進学を希望する学生が多くなってくるのではないかと私は勝手に予想しています。

 そこで今回は大学院に入るためにはどんなことをしたらいいか。そして入学後にしておいたほうが良いことなどを、大学院に進学した私の経験(関わった周囲の人たちから聞いた話など)をふまえたアドバイスをできたらと思います。

大学院に入る準備

 大学院の試験を受験するにあたっては、これまでの一般的な大学受験とは少し異なります。大枠の流れとしては以下のような流れを経て、大学院に入るための準備をすることになります。

受験を決めた研究室への挨拶(※ポートフォリオや修士研究企画書の仮準備)

大学院試験のための受験勉強

面接に向けたポートフォリオや修士研究企画書の本準備

<試験>

合格後の研究室への挨拶

ではこれらの内容に関してを段階的にご説明してゆきましょう!

受験を決めた研究室への挨拶

まずは行きたい研究室の先生に受験前にあいさつをしに行くのが礼儀です。

パウレタ(一級建築士)
まずここが今まで私たちが受験していたものと異なる部分になりますね

私は3つの大学院を受験しましたので、それぞれの先生に挨拶をして、受験させてもらいますということを伝えました。

パウレタ(一級建築士)
仮面接みたいなことになりますかね

なので、しっかりその研究室に行く上での動機を先生に説明できないと、最悪の場合、受験前に門前払いということになりかねません。しっかり準備をして、あたりまえですがアポをとって会いにいきましょう。  

 ちなみに私は、会う前に先生にメールを送って都合のよい時間をうかがって、指定された時間に会いに行きました。そのときは設計課題のポートフォリオ2課題分と、修士研究の研究企画書を持参していきました(これは先生のほうから持参を指示されてのことでしたね)。時期的には7月とか8月が大学院の試験でしたので、5月とか6月くらいに挨拶にいったと記憶しています。

大学院試験のための受験勉強

大学院へ進学するためにはもちろん試験があります。試験に関しても、やはり普通の大学受験とは異なります。

大学院試験の過去問資料の収集

 大学院試験において過去問を勉強しておくのは必須です。学部や学科の編成が新しくないかぎり、だいたいの傾向は近いものとなっています。

 過去問の資料をどのように収集するかというと、大学によっては売っているところもありますし、大学の研究室にあいさつにいけばもらえたりもします。ほかにも先輩経由で手に入れることができたりということもあるでしょう。

パウレタ(一級建築士)
ですのでネットワークって大事です

専門分野中心なので取り組みやすい

 では大学院の問題はどういうものが出題されるかをざっくりお教えしましょう。基本的には専門分野に関する問題が多いので勉強はとりくみやすいと思います。興味があって大学院に進学したいわけですから、この勉強に苦痛を感じるのであれば、進学はしないほうがいいでしょう。

 問題に関しては様々です。記述形式マークシート方式論述ちょっとした設計課題を織り交ぜたりなどです。とくに論述や設計課題に関する問題は内容は異なれど、その問題の密度は同じ傾向にあることが多いので、過去問をチェックしておきましょう。

英語は必須なところも多い

 私は3つ大学院を受験したのですが、どの試験にも英語はでていましたね。なので英語はこつこつ学生時代は忘れないように勉強しておきましょう!出題内容としてはこれもいろいろありまして、文法長文読解英作文リスニングなどがあります。ここに関しては、英文の内容が専門分野に関するものであったりするくらいで、一般的な英語試験の問題とかわらないことが多いですかね。

面接に向けて

ポートフォリオや修士研究企画書の本準備

 事前に挨拶で先生に見せたポートフォリオや修士研究企画書の本準備をしましょう。もし挨拶時の面談で指摘されたことやアドバイスをもらったのであれば、そこを修正しておくのがいいですね。

 あと面接では他の研究室の教官もいるかと思いますので、企画書に関しては何枚が複写して準備しておくのもいいかと思います。あと、必ずといっていいほど、面接では卒業研究に関する質問はされます。そのときにきちんとわかりやすく説明できる準備をしておくこともおすすめします。これに関しても何かしら資料を用意できればいいですね。

パウレタ(一級建築士)
けっきょくこういうことを繰り返すことで自分の考えがよりクリアになってゆき、大学院に入学してからスムーズに活動できる準備にもなっていくかと思います

合格後の研究室への挨拶

合格して浮かれていてはいけません!その後に間髪入れずにお世話になる先生に挨拶にいきましょう。私の場合は入学するまえにこれらの本を読んでおいたほうがいいというアドバイスや、修士研究に関する相談も行ってよりスムーズに大学院に進んでの勉強を行うことができましたね。

大学院入学後にやること

さあ、大学院にいざ入学したら遊んでるひまなんてありませんよ!気合を入れて動いていきましょう!!大学院に入学する人なので何をすればいいかはもうわかっているはずですが、私のなかで最低限は行っておくべきなことをざっとお伝えしておきたいと思います。

研究論文(研究室活動も含む)に取り組んでほしい

 修士設計で修了できる大学院もあると思いますが、私はきちんと研究論文にとりくんで修士という過程を修了をおすすめしたいと思います。

 これは私個人の見解なのですが、修士設計の作品っていがいと他の作品をみてもぴんとこないというか印象がうすい印象を受けました。就職の面接のときも卒業設計がやはり一番見られるようです。

 あと論文の作成はロジカルに考える訓練になります。もし今まで設計だけやっていて、右脳的なひらめき重視でものごとを行ってきた人にとってはとてもいい機会になると思いますので、どうかチャレンジしてみてください。

パウレタ(一級建築士)
あと研究論文に関してはそこの研究室で行っている活動を有効に活用できるようにすると時間をうまく利用できるかと思います。先生や先輩からのアドバイスなど情報も得やすいかと思いますね!自分の環境をうまくつかいましょう!!

設計コンペへの参加

 受賞できそうなコンペ、つまり競争率が低いものにも参加してみることをおすすめします。というのも、やはりコンペは入賞していないのなら、ポートフォリオにのせてもあまり意味ないです。コンペで受賞しているからこそその作品におけるアピールポイントがあるわけで、それが自分の肩書の一部になるわけです。

↓コンペで入賞できるコツについての記事も書いておりますのでご興味ある方はどうぞ!

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自主活動

 ここは研究論文と関係してくるならそれでもいいのですが、研究室主導のものでもいいので、何か自分がどういうことをしてきた人間なのかを誰かに説明できるような人になるように動いていただければなあと思います。ちなみに私は大学院の仲間内3~4人でとある地域の活性化に関する調査と提案を2年間行っていました。なかなか個人の研究論文とやりながらコンペにも参加してそのなかでの活動ではあったのでたいへんではありましたが、非常に良い経験でありましたね。

読書

 読書は社会人になってからも時間を確保して継続してほしいわけなのですが、本当にまとまって本を読む時間をつくれるのは学生のうちです。気になった本に関してはどんどん読んでいってください。そして、これから人生を歩んでいくうえで何度も読み返すであろう本と出会ってほしいなと思います。

就職活動

 勝手な予想になってきてしまうのですが、こういうウイルスが蔓延したこともあり、会場をもうけて大勢の学生が就職の説明や活動をするという機会があたりまえではなくなってくるような気がします。少なくとも、この1,2年くらいはそういうものを極力少なくしていく傾向になるでしょう。

 そうなると、今後の動き方としては、より学校や研究室のネットワークなどを駆使しながら、インターンなどを活用して自分自身を売り込む姿勢が大事になってくるような気がします。

もちろんまったく今までとは異なる就職アプローチもでてくるかもしれません。きちんとアンテナをめぐらせて動いていかないと、あっという間に取り残されて大学院を修了したのに無職。。なんてことにならないようにしましょう。

一級建築士の勉強

 建築士法の改正によって一級建築士の受験資格が緩和されました。よって、大学院生でも試験を受けることができます。学生のときに試験を受けることができるというのは時間がとれる利点になります。そして大学院の一年で取得できたら就職に有利になることまちがいなしだと私は思いますね。

 ちなみに私が大学院に通っていた当時も予備校に通って勉強している友人がいました(就職してすぐ受験して合格するために)が、やはりその人は大学院2年であったことから、修士論文や就職活動などに追われてあまりきちんと勉強ができず、けっきょく社会人一年目は学科試験で落ちてしまっていましたね。

一級建築士試験の勉強に関する記事も書いておりますのでご覧ください!

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上記の優先順位について

 たくさんやることをあげてしまいましたね。何が重要かの優先順位はきちんとつけなくてはいけませんね。もちろんそれは自分自身で行ってほしいとは思うのですが、私個人としてアドバイスをするなら、

1.研究論文(研究室活動)

2.就職活動

3.コンペ、自主活動、読書

4.一級建築士試験勉強 

の優先順位ですかね。

 やはり学費を払って大学院で勉強する意味を考えると自身の研究は第一優先にしてほしいですね。そして就職活動。その就職のための行動としてのコンペや自主活動など。そして一級建築士試験勉強は最後です。大学院在学中に受かっておくことにこしたことはないのですが、そこだけに集中するのは良くないですね。

パウレタ(一級建築士)
試験勉強はテクニックと要領のよさですのでうまくやっていきましょう!

不合格になってしまった場合の研究生という選択肢

 残念ながら不合格になってしまう場合もあるでしょう。

 もしどうしてもそこの研究室に在籍して勉強したいという人!研究生というシステムは知っていますか?学生みたいな扱いで大学に在籍することができます。ちなみに研究生も学費はかかりますので、そこは自身の経済状況と相談して決めてください。大学院の費用よりは若干安いとは思いますが、大きく差はないと思います。

 学生にはこのシステムを利用して大学院浪人する人もいますが、私としましてはあまりおすすめできませんね。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?

 私が建築学生であったときも就職事情はかなり冷え込んでいる状態で、「大手企業は大学院卒」しかとらないという募集もあったりしました。そういう状況がもしかしたら訪れる可能性もあります。

 なのでこれから建築に関する企業が採用したい人材は、より建築の知識が深く、さらに建築士の資格をもっている学生がいたならそれはいっそう有利ですよね。

 「もちろん自分のもつ才能や運で社会に勝負を挑んでもかまいません」

でもそんなふうに考えられる人はほんのわずかで、たいがいの人はまだ社会に出てもいない自分がこれから何ものになっていくのかを模索している途中段階です。そういう人なのであればこそ、こういう準備をもって社会へ出ていったほうがいいのではと私は考えますし、私が学生の立場であればそうします。

パウレタ(一級建築士)
自分に投資するかはあなた次第です!

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