一般的に学生時代は、アルバイトで生活のお金または遊ぶお金を稼ぐためにせっせと汗を流す方も多いでしょう。
しかし、建築を学んでいる学生であれば、一般的なアルバイト(コンビニや飲食店のスタッフなど)ではなく、建築に関係するものを経験してみたいなと思ったりするのではないでしょうか。
私はそうでした。
そこで今回は建築学生に向けて、建築に関するアルバイト事情をご紹介できればと思います。
設計事務所でのアルバイト
模型制作
やはり基本はここになってきますかね。
これはできないとお金とは結びつかないですよね。下手な人はオープンデスク扱いとなって、お給料もらえないことにもなりかねないのできちんとトレーニングを積んでからにしましょう。
トレーニングって何をやるの?という人は、まずは授業の課題をしっかりやるということ、そして余裕がでてきたら先輩の卒業設計のお手伝いなんかもやってみたらいかがでしょうか。余裕がある先輩なら模型製作のテクニックを教えてもらえるかもしれません。
ちなみに私自身は設計事務所のインターンなどで模型製作の上級テクニックを事務所スタッフの人から伝授してもらいました。時間に余裕があって上達したい人はまずそこからスタートもいいかもしれません。
CAD図面修正
CADができる人は図面作成や修正で戦力になっていくとは思います。
ただ、基本設計やコンペ案などの補助としてお手伝いならいいのですが、実施図面をさわるとなると、けっこうたいへんかもしれません。図面の理解や、その事務所の線図やレイヤなどの管理、表現などを考慮しないといけないので、けっこう器用にCADをあつかえる能力がないと戦力にはならないのでここもしっかりおさえたうえでのぞんでみましょう。
ゼネコン、組織設計事務所
ここも上記と同じではあるのですが、さすが大手!より生産性を重視した作業が求められます。
模型制作
模型であれば、受ける案件も大きいものが多いので、模型も何人かのグループがひとつとなって作業になってきます。たとえば自分はどの棟のこの部屋の部分とか、階段の部分とか、など、全体を任されるわけでないので、上記のアルバイトとくらべると面白みがないように感じる人も多いかもしれません。あと模型機械のように流れ作業的になっていくことが多いです。できないと遅れをとり、あせってきます。自分が模型工場の機械のひとつとなって、作業をしているような気分になります。
しかしそのぶん、給料はいいです。
CAD図面修正
作図にかんしてもCADオペレーター並みにさくさくやれないといけないことが多かったです。なんせ、派遣社員のCADオペレーターというプロもいっしょに仕事をするという環境ですからね。少し追われている緊迫感というかそんな気分になりながら仕事をしていたという感じですね。
しかしそのぶん、給料がいいです。
まあ、でも、お金をもらうってこういうことなんでしょうねえ。と社会を知ることができたのでよい経験になりました。
お金を稼ぎたい人はしっかり小規模な設計事務所で腕を磨いてチャレンジしていただきたいなと思います。
建築現場で肉体労働
いわゆるガテン系ですよね。私自身は経験がないのですが、体力が有り余っている友人は黒く日に焼けてこのアルバイトを行っていました。何がいいのか聞いてみると、けっこうこういうのは日給で支払われる場合が多いようなので、それがいいとはいっていました。 建築の勉強になるかというと?な部分もあるようです。しかし現場に興味がある人ならば、その雰囲気を肌で感じるいい体験となるでしょう。肉体労働なのでお金もそこそこ良いです。
注意点としては、どこを歩いていいかとか、どこにいたら危険かとか、そういう部分はしっかり聞いて行動してください。
教官の教務補助(TA)
大学院に在籍している学生ですと先生にお願いされる仕事として、教務補助(TA)というアルバイトがあります。これは教官の授業であったりゼミをサポートする仕事で、その授業ごとに給料がもらえるようになっています。
私も大学院生のときにお手伝いする機会があったのですが、学部生と親しくなれて楽しかったですね。あと教官の指導補助とはいえ、自分自身も設計のアドバイスを学生にしたりなど指導することにもなったのでとても勉強になりました。
時間は授業の時間のみとなるので2時間とか3時間くらいの短時間となるのですが、時給はけっこういいです。私が別でやっていた中学生の家庭教師のアルバイトと同じくらいの金額であった記憶があります。
アイデアコンペで賞金をゲット!
コンペに応募して賞金をゲットするというのひとつのアルバイトといってもいいのではないでしょうか?
これはお金をもらえるかゼロかということになってしまうのですが、自分の実績を蓄積するという目的もかねるとモチベーションを上げて作業しやすい内容ではあると思います。設計の表現技術も向上しますしね。賞金はもらえたらラッキーくらいの気持ちでやってみてください。大小で入賞する確率もかわってきますが、それなりにまとめれる技術がついているならば、20個応募すれば1つくらいはひっかかるかもしれませんよ!
ちなみに私は入賞して数十万円をゲットしました!
クラウドソーシング
最近ではクラウドソーシングで仕事を獲得するというのもあたりまえな時代になってきています。
学生ならたとえば住宅設計のプランをやるとか、図面の修正をするとかなら受けることができるかもしれないですね。コンペもあったりするので応募して賞金をゲットするというのもいいですね。
↓クラウドソーシングに関する記事も書いています。
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SNS
こちらも最近ですと、ウェブを介して仕事を受けたりして稼いでる人もいます。
youtuber、ブロガーいろんな稼ぎ方がありますよね。なのでここで稼いでみたい人はそういう人のページやチャンネルを研究してみてください。
建築士試験の勉強動画であったり、独自に企画をこらした建築に関する動画であったり頑張っている方も多く見受けられます。
ただ広告収入でそれなりに得られるのにはある程度の期間であったり、投稿数を増やしたりしないといけないですし、当たるかどうかもわからない部分もありますね。
建築関係のアルバイトはどうやって探す?
最近ではwebで調べるとある程度でてくるようになりましたが、設計に関するアルバイトでより条件や環境のよいものをみつけるには、大学内のネットワークで得たほうがいいです。
私なんかも、ほとんどは大学の先輩や先生の紹介でこれらのバイトをさせてもらっていました。紹介という保証が会社や事務所もついていることから雇う側も少し安心してお願いできるというのもあるのでしょう。反対に雇われる側としても、給料をもらえる信頼を得ているということも大きいです。
アルバイト要請のお声がかかったらできるだけ受けるというかたちをとっておくと、より良い条件のものにめぐりあうことにもなります。しっかり関係性をつくって学生生活を過ごしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
とはいっても一概にこれらをやれとは言えないのが今の時代です。web環境が私が学生であったときよりも格段に発達して、考えによってはかなりのお金を学生のうちに稼げる人も増えました。
こういう時代に建築学生やってたら自分はどんなお金の稼ぎ方を実践していたのだろうなあ。と思ったりします。
まあ、でも今回はそういう例はおいておいて、
専門職のアルバイトは、コツコツ続けて内部の社員に認められると就職に結びつくというケースも多分にあります。
設計事務所としては、アルバイト期間でその人の人となりや能力がある程度みれて研修期間として位置づけることができているわけですし、コミュニケーションも問題なくとれて、なおかつやる気や真面目さがあれば、今後もいっしょに仕事をしてくれたらいいなと思うことでしょう。
人間関係ってやはりめぐりあわせな部分があったりしますよね。そこを設計に関する技術を高めながら構築するのが結局は技術者としていい仕事にめぐりあう近道になるのではないかなと思ったりします。