一級建築士試験の勉強方法

令和の法改正で一級建築士試験は学科免除が5年に延長!

 令和231日に改正建築士法が施行され、建築士試験の制度が大きく変わります!

 建築士という人材を継続的かつ安定的に確保のため、建築士試験の受験機会が拡大される、つまりは受験資格の緩和です!

 改正法で受験要件となっていた実務経験が免許登録要件に変更され、ついに4年制大学、短期大学、高等専門学校(高専)を卒業していればすぐにでも一級建築士という難関資格を受験できる時代が来ました!!

パウレタ(一級建築士)
何度もこのブログでとりあげてきましたがついに来年からそんな時代になってしまうんですねえ

 さらに国土交通省のホームページを確認しましたところ、改正建築士法の施行に向け、 学科試験免除のシステムに関する見直しなどを定めた省令や告示が令和元年111日に公布されました

 そのなかでも今回は、学科試験における免除のシステムに着目してみたいと思います。

学科試験免除が延長!

 建築士試験はみなさんご存じのように、学科試験製図試験の2つに分かれています。一次試験ととなる学科試験を合格すると、二次試験となる製図試験を受験することができます。

 今回の改正では、学科試験における合格の有効期限つまりは学科試験における免除を3年からなんと5年へと延長されます!!

パウレタ(一級建築士)
これもなかなか大きい変革ですよね!

たしかに言われてみればそうかもしれないねえ
先輩(一級建築士)

 この内容をもう少し掘り下げていきましょうか。

 これまで一級建築士試験の学科試験に合格した受験者は、

その年の製図試験が不合格であった場合

さらにその翌年の試験でまた残念ながら不合格であった場合

そして次の年の製図試験について学科試験が免除されるというものでありました。

パウレタ(一級建築士)
3年間でチャンスが3回ということですね

やっぱり3回くらいチャンスがあったほうがいいよね。これはいいルール変更であったと思うよ
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
そうですね。私もそう思います

 法改正による新建築士試験ではそれでさらになんと令和2年度に実施された学科試験にめでたく合格した受験者は、その年をいれて5年以内におこなわれる製図試験のうち、3回を任意に選択して受験することができます。

パウレタ(一級建築士)
ちょっと、はじめて聞くとえ?ってなりますよね

例をあげて説明してみましょう!!

たとえばある受験者が令和2年度の学科試験に合格したとしましょう。

その人は、

・令和2年、3年、4年

・令和2年、3年、5年

・令和2年、3年、6年

・令和3年、4年、5年

・令和3年、5年、6年

・令和2年、5年、6年

などのパターンで、製図試験については学科免除で受験をすることができるということになります。

パウレタ(一級建築士)
おおお!実際にシミュレーションしてみると多くのパターンがでてきますね!なんだこのルールは!!

延長期間ができた理由は?

 いったい5年にして受験3回というのは何のためなのでしょうか?どうやら受験者が製図試験の機会をより柔軟に選択できるように配慮がなされたとのことです。2回スルーしてOKというのが何かこう私個人としてはちょっと気持ち悪い感じがしたりしますが。

パウレタ(一級建築士)
5年にするなら5回でもよくないすか?

いやいやいくらなんでもちょっと甘くない?一級建築士だよ?
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
じゃあ3年で3回でいいですよね。何か特別な事情がある場合特例で延長くらいでよくないですか?今年でいう台風で被害を受けたりした方でどうしても再試験を受験できないかたとか

なるほど、そういう考え方もあるね。でもそうするのが面倒くさかったんじゃない?まあ、すでに資格をもってる人らがとやかく言ってもね。より多くの選択肢があるってことはいいと思うよ。子供を産んで育てながら勉強することに対してもよりやりやすくなったんじゃないかな
先輩(一級建築士)

たしかに先輩とこういう話をしていますと、いろんな視点をもって受験資格を拡大することで、建築士の数を確保していくことが可能になっていきそうな気がしてきました。

法改正によって受験スタイルも多様化するのか?

 こうなりますと、一級建築士試験に対しての個人の取り組み方がそれぞれ変わってきますね。本年までは、初受験の方は、1年で学科試験と製図試験の両方を受験するのが常識でありました

パウレタ(一級建築士)
学科試験が受かったいきおいで製図試験もパスしちゃえという乗りでいくパターンですね

 しかし今度は初受験の年の翌年に試験をまわせるということもできるわけです。

パウレタ(一級建築士)
翌年から4年以内に3回製図のチャンスがあるわけです

そうであれば、まずは学科を受験して、合格したら翌年から腰を据えて製図に臨む、というのが常識になる可能性もあるわけです。

 働き始めの一年目はばたばたして勉強する環境ではないからそういう場合も考慮したりとか。または製図試験がストレートで合格するのは難しくなってきているとか、試験制度の変化は試験内容そのものにも影響してるのかもしれませんね。

 企業側目線で勝手に想像してみますと、内定後、学生時代から予備校に通わせておいて、入社して研修期間は学科の勉強に精を出してもらって、学科試験が終わったら仕事をがんばってもらう。それから一年かけてじっくり製図の勉強をしてもらって来年に一発で合格してもらうというスケジュール。なるほど!ありといえばありな気もしてきました。

受験戦略として基準階の課題だとスルー。とかは?
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
いやあそれはないんじゃないすかね。次の年も基準階が出題したらどうするんですかwww

まとめ

 いずれにしろ、今回の法改正によって、実質的な競争率は確実に高くなっていくことが考えられます。

 今まで難関であった一級建築士の試験がかんたんになるわけではありません。質は下げることなく建築士の人材を確保していこうと国はやはり考えているのは当然なわけで、試験内容もおそらく難化していく傾向をたどっていくのではないでしょうか

パウレタ(一級建築士)
日建学院や総合資格などの予備校もたいへんですね

そうだよね。でも建築士が少なくなってしまうほうが彼らにとっては痛いからね。逆に若い受講生を獲得するためにがんばるだろうね
先輩(一級建築士)

 さて、職業環境や受験者のライフスタイルとのかねあいで受験者やその選択を自身で決定できることにどんな建築士の未来が待っているのでしょうか。

 試験制度以外でも今後建築士という資格に関してはさらなる改革をせざるえないかたちになってくるだろうと私は考えています。それはまた別の機会にブログに書ければと思っています。

パウレタ(一級建築士)
とにかく若い元気な建築士が増えて建築業界が盛り上がることを期待しています!

参考資料)国土交通省ホームページより「新しい建築士制度の概要(パンフレット)」

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