【建築学生必見】卒業設計成功のためのロードマップ

建築学科で設計を学び、その集大成として取り組む卒業設計。大学によっては卒業論文と並ぶ卒業の条件であり、建築学生の間では「Diploma」とも呼ばれます。

この卒業設計は、単なる思い出づくりではありません。特に将来、建築設計の道に進みたい人にとっては、これからの自分の基本軸にもなりえる大切なものです。大学院への進学や就職活動においても、その出来は採用に大きく影響します。

では、この一大イベントを成功させるために、具体的に何を考え、どう動けばいいのでしょうか。


 

1. 計画を立てる

 

卒業設計は、計画性がすべてです。どんなに素晴らしいアイデアも、提出できなければ意味がありません。

スケジュールと予算を設計せよ まずは、提出物から逆算して、スケジュールを組みましょう。企画、設計、制作といった段階ごとに、それぞれどのくらいの時間をかけるべきかを具体的に割り振ります。

制作費用も忘れずに計算してください。模型材料や印刷代、外部への出力依頼など、意外とお金がかかります。自分の使える資金を把握し、必要であれば早めに資金調達を考えておきましょう。

↓卒業設計のスケジュールとまとめ方について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

 

2. 自分のやりたいことを見つける

 

卒業設計は、テーマや敷地を自由に設定できる貴重な機会です。自分の「やりたいこと」を明確にすることで、迷わずに設計を進められます。

テーマ・空間・計画敷地をフィックスさせる あなたが本当に表現したい「テーマ」と「空間」は、必ずしもイコールではありません。まずは、自分の「やりたい空間」が何なのかを突き詰めてみましょう。それから、その空間に合うテーマや敷地を探す、というアプローチも卒業設計ならではの有効な方法です。

もし、どうしても取り組みたい敷地があるのなら、そこに自分のアイデアが負けないように、とことん向き合う根性も大切です。

建物用途はしっかり設定しよう 設計する建物の用途は、誰にでも簡潔に伝わるように設定することが重要です。「集合住宅」や「美術館」のように、一言で説明できるものにしましょう。そうすることで、設計の軸がブレにくくなり、第三者にも伝わりやすくなります。

↓卒業設計のテーマを見つける方法について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

 

3. 表現力を磨き、他者から学びを得る

 

どんなに良いアイデアでも、相手に伝わらなければ評価してもらえません。同時に、自分一人で抱え込まず、外部の力を借りて作品の完成度を高めることも大切です。

自分の能力を把握し、外部の力も借りる 現在の自分の技術力で、アイデアをどこまで表現できるかを正直に把握しましょう。模型やCG、図面表現など、苦手な部分があれば、得意な先輩や後輩に協力を仰ぐのも一つの手です。

ゼミに参加して評価を受けよう 研究室のゼミは、自分の設計案を客観的に見てもらう貴重な機会です。先生や同級生に積極的に意見を求め、フィードバックを受けましょう。全ての意見を鵜呑みにする必要はありませんが、他者の視点を取り入れることで、作品の説得力は格段に上がります。

卒業設計は一人でやる必要はない 「建築は、そもそも一人の力でできるものではない」と私は思います。社会に出れば、チームで一つの建物をつくり上げるのが普通です。卒業設計も同じです。手伝ってもらえる機会があるなら、その力を借りるべきです。それは、手伝ってくれた人にとっても、あなたにとっても、貴重な勉強の機会になるはずです。

 

4. 広く視野を持ち、自分の作品をアピールする

 

自分の大学の中だけで評価されることに満足せず、もっと広い世界に目を向けましょう。

学外の展示や競技会に参加する 学内の評価だけでなく、学外の卒業設計展や競技会にも積極的に参加することをおすすめします。有名な建築家が審査員として参加していることもあり、彼らから直接フィードバックをもらえる機会は、あなたの大きな財産になります。

多くの作品から学びを得る 他大学の卒業設計展にも足を運んでみましょう。自分の大学とは異なる作品の傾向や、新しい表現方法のヒントがたくさん見つかるはずです。もし勇気があれば、作者に話しかけてみてください。熱意を持って質問すれば、彼らはきっとあなたの期待以上のことを教えてくれるでしょう。

 

まとめ

 

卒業設計は、建築学生にとっての一大イベントです。そこにはドラマがあり、喜びも悔しさもあります。

提出後に後悔が少ないように、しっかり準備してみてくださいね。健闘を祈ります!

 

上部へスクロール