本日令和3年12月24日。今年度一級建築士試験の合格発表がありました。
合格されたみなさん!おめでとうございます!!
世間はクリスマスイブでありますが、そんなのおかまいなしにどきどきしながら待っておられた受験者も多かったことでしょう。
私自身もサイトで合格発表を確認しました。いやあ合格した当時の記憶がよみがえりましたね。
「お約束のようにサイトにアクセスが集中してなかなかホームページが開くことができませんでしたがwww。今年からようやく受験番号のみとなったようですね」
では例年ブログでおこなっていますように、一級建築士試験の全体の合格結果や基準等をもとに私個人としての感想もふまえながらつらつら書いていきたいと思います。
全体的な結果内容について
合格率について
今年度は実受験者数が10499人、合格者が3765人、合格割合は35.9%でした。
この割合は昨年度の合格率34.4%とくらべると高くなっていますね。ここから昨年と比べ、試験の難易度は易しめであったのではということが読み取れます。
合格基準等について
採点結果については、例年どおりランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階で区分をなされておりました。
それぞれの割合は、以下のとおりとなっております。
ランクⅠ:35.9%
ランクⅡ:6.3%
ランクⅢ:26.9%
ランクⅣ:30.9%
ちなみに前年度(令和2年度)の割合が
ランクⅠ:34.4%
ランクⅡ:5.6%
ランクⅢ:24.3%
ランクⅣ:35.7%
ここから今年度もランクⅢ及びランクⅣに該当した人が多いことがわかります。ランクⅡも若干増えているということは、昨年よりもぎりぎりで戦った方が多かったとも読み取れますね。
ちなみに試験元はご丁寧にランクⅢ及びランクⅣの人がどのようなところで至らなかったのかについてを具体的にあげておりました。そのなかで気になったところとしましては、
設計条件に関する基礎的な不適合としての、
・要求している主要な室等の床面積の不適合
・道路高さ制限への適合が確認できる情報の未記載
ですかね。
これはクライアントにむけての配慮として、必要な部分ですから、それも製図試験では重要視したということが読み取れます。
あと、法令への重大な不適合は「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)や防火設備の設置」、「防火区画(異種用途区画、面積区画、竪穴区画等)」、「道路高さ制限」等の 法令への重大な不適合はもはやあたりまえというところですね。
試験の標準解答例について
例年のように一級建築士試験の合格者発表といっしょに標準解答例が掲載されました。そこで以前ブログで私個人が製図試験の解答
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令和3年度一級建築士製図試験を解答!エスキスプラン掲載中!
令和3年10月10日に一級建築士試験の製図試験が行われました。 受験されたみなさん、どうもおつかれさまでした。手応えはいかがでしたか?一級建築士試験の予備校ではすでに解答速報などが断続的に発信され ...
続きを見る
をひきあいにだしながら感想を書いていきたいと思います。
ちなみに解答例はあくまでも合格水準の標準的な解答例を示すことを意図したものです。模範解答例ではないということです(笑)。
標準解答例①
まず一つ目は、屋上庭園を南側にもってきたタイプですね。やはり南側にもってきてしまうとプラがけっこうくずれてきて苦しくなる典型をあらわしている解答例だなと思いました。わたしの解答例も南側で作成しているのですが、けっこう解くのに時間を要してしまいました。基準階はL字にもってこないとなかなか時間内にはプランがおさまらないでしょうね。こちらのタイプを選択したかた、おつかれさまでした。でも南側に屋上庭園のほうが私もいいと思いますよ。
標準解答例②
やはり製図解答編のブログでもふれましたが、標準解答例②のように北側に屋上庭園を配置することによって基準階がきれいにプランニングすることができてすんなりまとめることができた人にはラッキーであったのではないかなと感じました。おそらく合格率があがったのはこちらを選択したプランの人が多かったことも関係するのではないかなと私は推理いたします。この方向性の選択が合否を左右するなんて残酷ですねえ。。でも試験は競争でありますから!
今年の学生受験者は?
令和3年度の一級建築士試験の学科試験受験者は全体で37907人でした。これは昨年度の30409人を大幅に上回る数値です。これは4万の大台に来年はいくのでは!と思わせる数値です。
おそらくこれは新制度の影響でしょう。
そこで今年も私は受験可能者の割合に注目してみました。
令和3年度の一級建築士試験の製図試験の合格者は3765人のうち、合格者の新制度による受験可能になった人が930人。その割合24.7%です。
ちなみにですが、令和2年度の一級建築士試験の製図試験の合格者は3796人のうち、合格者の新制度による受験可能になった人は672人、割合は17.7%でした。
これらより、新制度第一回よりも増加し、しかも2割を越えた人数になっています。
あと、合格者の学生の割合についてもあげておきましょう。
令和3年度の一級建築士試験の製図試験の合格者のうち、学生に属している数は85人と2.3%。
そして令和2年度は、56人の1.3%。確実に数字を上げていっていますよね。
データより、学生は一級建築士試験を受験する準備があたりまえになりつつあります。学生のうちからしっかり試験勉強の準備を行っていくことを私はおすすめいたします。
一級建築士の登録について
さて、合格したみなさん、一級建築士は免許登録をしないといけません!
「そこにまたお金がかかります。。。」
一級建築士登録申請はどこで行う?
一級建築士の免許証の交付手続き等の登録事務は、公益社団法人日本建築士会連合会が行うことになっています。登録申請受付の窓口は現在申請者がお住まいになっている都道府県の建築士会になりますのでご注意を!
一級建築士登録関係の費用
申請手数料等は以下の費用となってきます。
・免許登録申請(新規登録) :28,400円
・登録免許税(新規登録): 60,000円
ということで、おそらく多くの人が建築士の予備校に通ってお金をかけたはずですが、さらに9万円近くまたお金がとんでいってしまうのですよ。いやあ、お金のかかる資格です、よねまったく。。
※提出書類関係などの詳しい内容は公益社団法人日本建築士会連合会のホームページに掲載されておりますのでそちらをご覧ください。
一級建築士という資格に見合った人材へ!
一級建築士は足の裏の米粒なんて言われたりします。あったらあったでなんでもないが、なきゃないで困るそんな資格。でもそういわれているのはしょうがありません。資格にみあった仕事ができるよう、日々努力邁進していくのみです。一級建築士であるからこそのまわりが動いてくれることへの責任も発生してきます。
今年度合格されたみなさんも仕事をばりばり行って、一級建築士という資格に見合った技術者としておおいに活躍してください。このたびは本当におめでとうございました!
参考資料)
・建築技術教育普及センターホームページ
・公益社団法人日本建築士会連合会ホームページ