家づくりのアドバイス

失敗しない家づくり!注文住宅のための土地探しポイント

注文住宅を建てて理想の暮らしを実現するためには、土地の選び方も大切です。

 土地を選ぶということは、その街に住むということとなります。ではどんな視点から、土地を探していけばいいのかわからないという方も多いかと思います。

 そこで今回は、おもに住宅設計を専門としている一級建築士パウレタの建築士としての視点、そしてさらに私自身が実際に土地を探して家を建てたという施主の経験をあわせたアドバイスができたらと思います。

周辺環境に関すること

エリア

 実家や今住んでいるところに近いところ。古くからある住宅街、またはその反対に新たに宅地造成されたニュータウンなど、それぞれエリアというものには特徴があります

 そのまわりにある施設も関係したりしますよね。たとえばイオンのような大きな商業施設の近くや大きな病院などがあるところなど。まずは住みたいエリアの候補をしぼってみてそこがどんな居住環境であるのかを自身で調べてみましょう。

通勤・通学などの利便性

 通勤や通学にかかる時間や利用する交通機関や路線とその本数も確認しておきたいところです。急な異動などで職場が変わっても通いやすいか、ということもチェックしておきたいですね。まだお子さんが小さいのであれば学区に関する情報も確認しておくことも大事です。

土地から最寄駅へのアクセスもチェック!

 最寄駅までは徒歩でどのくらいで、その駅の利用状況や周辺環境はどうか?始発と終電は何時か?また自宅から駅までバスを利用ならするならば、その運行状況は?車を利用するならどうなのか?など、土地周辺の交通機関アクセス状況も確認してみましょう。

公共施設などの設置状況を確認してみよう!

 図書館や役所などの公共施設の設置状況も生活をしていくうえではけっこう大事になります。あと銀行などの金融機関も近くにあったら便利ですよね。そして近隣にあると何かと安心なのが病院施設です。もちろん日常的な買い物をするスーパー、商店街コンビニも!日常生活は家のみで完結することはありません。ですからこういう生活に関係する施設の状況もしっかりチェックしておきましょう。

将来的な住環境も把握しておこう!

 選んだエリアは将来的にどんな街になっていくのかという展望も確認していく必要があります。

 たとえば再開発をおこなってショッピングモールができるとなると利便性もアップします。あと大型マンションが建つのであれば、周辺の人口も増えることが予想されますし、それにともなって公園などの施設が整備されたりという可能性もあります。

 自分が住もうとしているエリアがどんな街に変化していくのかと未来予測し、イメージすることも大事です。

建物に関わる法規制

 自分が購入したい土地にどんな建物を建てることができるかの法規制も大切になってきます。そのなかで重要な法規制をピックアップしていきましょう。

 ※不動産業者からも説明があるとは思いますが、自分自身が購入するわけですからしっかり確認しておくことは大切です。

用途地域

 市街化区域では13種類の「用途地域」によって建てられる建物の種類や規模が制限されています(一般的な市街地は市街化区域に指定されていて、その他にも市街化調整区域というものがあり、こちらはどちらかというと郊外の人があまり住んでいない所が多いです)。用途地域によっては住環境が異なります。必ず確認しておきましょう。

防火地域・準防火地域

 建物が密な地域では、大規模な火災を防ぐために地域を分け、それに応じた建物の耐火性能基準が設けられています。耐火性能をようする基準にかかった場合は建設コストにも影響がでてきますので、事前に確認をしておきましょう。

建蔽率と容積率

 都市計画により、土地によって建てられる広さや大きさが限られる建蔽率と容積率があります。建築面積の上限は建ぺい率延床面積の上限は容積率で定められています。購入したい敷地にどのくらいの規模の大きさの建物が建つかという確認は絶対にしておきましょう。

高さ制限や斜線規制

 土地によっては何メートル以上は建てることができない高さ制限。そして道路や敷地境界を基準にした斜線制限によって建てる建物のカタチなどが制限されます。建てる前に自分の希望した大きさが本当に建てられるかどうか、ここも事前にしっかり確認しておきたいところです。

接道条件

 建築基準法上、都市計画区域内で建物を建てる場合、幅員4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ建物を建てることができません。そうでない場合は何らかの緩和措置のため、役所などと協議しなければならない場合があります。気をつけましょう。

都市計画から見た土地の未来の確認

 将来的な都市計画に関することです。購入する土地に区画整理事業や道路が走る事業が行われないかが、役所や都市計画資料を見たりするとわかります。土地が将来そういうものが計画されているかということも確認しておく必要があります。

 せっかく建てたのに、10年後に区画整理が入ったり道路ができたりするとかでは悲しいですからね。しっかりチェックしましょう。

土地の形状

 土地の形状も家を建てるうえでは大事になってきます。一般的にいいますと、正方形や長方形などの整形な敷地であるほど、無駄なスペースをつくらずに家を設計、建設しやすくなります。仮に不整形な土地に沿ったカタチになった家は設計力がかなりある建築士であれば問題ありませんが、一般の住宅会社ではうまくプランがまとまらないことが多いです。さらにかたちのいびつな家は難易度が高くなるので施工技術を要します。その分工事金額が割り増しになってしまいます。

 どうしてもその土地にこだわりがあり、さらに金額をカバーできる余裕があるのであれば問題ありませんが、普通の住宅と金額を求めるのであれば、整形な土地をおすすめします。

地盤を見るポイントで地盤で建てる家のコストが大きく変わる!

 地盤の良し悪しによっては、地盤改良などの補強工事を行う場合が出てきますこれには建物本体とは別に費用が発生します。できるだけ地盤に対する工事は必要最小限にし、安くおさえたいというのがだれしもが願うところです。では土地の地盤の良し悪しを判断するため、土地を見たらよいかポイントを2つほどお伝えしたいと思います 

住所からそこがどんな場所だったかを知る!

 まずは住所からその土地が昔どんな場所であったかを調べてみましょう

 地盤悪い場所は水はけが悪いところが多いです。昔田んぼであったとか、川が近い場所などがあてはまります。たとえば、そういう場所は△△など、水を連想させる地名。反対に台地や丘などは地盤が安定している場合が多く、○○台、△△丘など。住所はもともとの状態を表してることが多いわけです。

 しかし例外もありますので注意です。たとえば新興住宅地においては開発されたあとに新たな住所がつくられている場合があったりします。昔そこがどんな住所であったかをしっかり調べておきましょう。

地盤データを確認してみよう!

 2つ目は、地盤の数値データを確認です

 データは購入前にある程度確認できます。以前建物が建っていた場所であれば、当時のデータを持っている売主さんや不動産屋さんがいると思いますので問い合わせてみましょう。設計事務所や施工会社がすでに決まっているのであれば、そのつてから地盤会社を経由して近隣地盤データを調べることができるはずです。地盤データは一般の方には読み取れない専門知識が必要とされます。設計者や施工者に見解を伺ってみてください。

土地の浸水履歴等をチェック!

 近くに河川があって低地にある土地は大雨の際浸水する可能性があります。最近では各自治体で過去の浸水履歴をハザードマップで表現しているのが一般的です。必ず確認しましょう。

 また同様に、過去に工場や発電所などがあった場合、土壌の汚染状況を確認しておく必要もあります。調査されているか、されているのならばその結果を不動産屋に必ず確認しておきましょう。

敷地境界標があるかどうか確認しよう!

 敷地境界標とは、隣地と土地の境界部分に打ち込まれている印をいいます。この敷地境界標があるかは必ず確認しましょう。

 土地によって(土地が昔からあったりなど)は境界標がなかったり、またはずれてしまっていることも多々あります。そのように境界が曖昧なケースに出くわしたときは、きちんと測量をしなおすことをおすすめします。境界が曖昧であると、それが近隣トラブルにまで発展する可能性もあります。そのような事態を防止するうえでもしっかり境界を明確にしておくことをおすすめします。

時間帯や天候を分けてその土地を見てみよう!

 日当たり、騒音などに関しては、時間帯によって異なることが多かったりします。そして天候に対して印象が異なることも多々あります。特に日当たりや水はけなどは天候にも影響されます。ただ一回きり土地を見るだけでなく、時間帯や天候が異なるときをみはからって複数回確認してみることをおすすめします。違った土地の顔をしっかりみてそれを現実として受け止めれるかということもしっかり確認してから購入段階へとすすみましょう。

 

最後に建築士の観点からアドバイス

 いかがでしたでしょうか?

 上記であげた内容すべての希望に合う土地なんてなかなかありません。むしろ見つからない可能性も多いです。

 マンションやアパートなどの賃貸物件を探していたときを思い出してみてください。全ての要望をみたす案件などなく、どこかで言い方が悪くなってしまいますが妥協点を探ることになって最終的な決定をしたかと思います。

 土地探しもいっしょです。ですので、条件の優先順位をしっかり決めて整理してから伝えておくと、それなりの理想に近い土地と出会えるはずです。

 設計者としては「どんな敷地でもござれ!」ですが、現実的にお施主様目線で考えますと、敷地条件によって建設にかかる費用・時間がかわります。土地形状、法規や地盤など、土地の数だけ条件の組み合わせが出てきますからね。

 土地だけにとらわれず、そこに将来建つであろう家をイメージしながら是非土地を探してみてください

 そのためには建築士としては、土地を探しながらそこにどんな家が実現するかという検討も同時に行っていただきたいと思っています。現代においてはそういうウェブサービスも進歩がめざましいです。

 タウンライフのウェブサービスでは土地探しといっしょに無料でそこにどんな家が建てられるかをご提案しています。

 理想と現実をすりあわせる作業のとっかかりとしてはとても良いサービスだと建築士としては思います。それで決まりというわけではないですので、まずは家づくりの第一歩として試してみてはいかがでしょうか?

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