建築学科に入学したものの、将来どんな就職先があるのか、漠然とした不安を感じていませんか?
「設計事務所やゼネコン、工務店くらいしか知らない……」「大学のガイダンスでは、就職先なんかも表面的な情報しか得られない……」 「どの仕事も激務だと聞くけど、それに見合う給与や将来性があるのか?」「自分の性格に合った後悔しない進路はどこか?」

この記事では、建築学科を卒業し、現在一級建築士として働く私が、自身の経験とネットワーク、そして業界の客観的なデータを総動員して、建築学科の学生が活躍できるさまざまな進路をリアルな視点から徹底的に解説します。大学のガイダンスでは決して語られない、学生が最も知りたい4つの判断軸を提供します。
【OBのリアル評価】評価基準と情報元について
ここから解説する各職種には、現役OBとしての私見に加え、具体的な統計や企業のデータを基に設定した4つの評価軸で★評価(3段階)を付与しています。あなたの進路選択の参考にしてください。
評価軸 | 基準(評価の主な情報源) |
やりがい度 | 創造性やデザインへの関与度、またはプロジェクト全体を動かす達成感や社会への貢献度の大きさ。(OBの経験とネットワークによる業界傾向) |
給与水準 | 業界内での平均年収を考慮した水準の高さ。(スーパーゼネコンや大手デベロッパーの有価証券報告書に基づくランキング、厚生労働省の賃金構造基本統計調査などを基に評価) |
激務度 | 長時間労働、プレッシャー、離職率などを総合的に判断した、心身への負荷の高さ。(厚生労働省の産業別労働時間・離職率統計や、建設業労働災害防止協会の情報などを参考に設定。現場管理職は高評価となる傾向) |
安定性/キャリア | 企業の経営基盤の強さや福利厚生、資格取得後のキャリアパスの広さ。(企業の平均勤続年数や組織規模の安定性、公共性の高さを重視) |
この記事を読んで、納得のいく進路を見つけましょう。
建築を「創る」就職先

設計図を描き、建物を現場で形にしていく、建築学科の学生が最もイメージしやすい分野の進路です。
建築設計事務所
建物の意匠、構造、設備などを専門的に設計します。
アトリエ系設計事務所
特徴: 建築家が主宰し、建築を「作品」として追求します。 働き方: 給与はあまり期待できませんが、唯一無二の建築に携われるというやりがいがある就職先です。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★★ / 給与水準: ★☆☆ / 激務度: ★★★ / 安定性/キャリア: ★☆☆
組織設計事務所
特徴: 数百人規模の大企業で、オフィスビル、学校、病院といった大規模案件を多く手掛けます。 働き方: 会社組織のため給与や福利厚生が安定しており、定年まで安心して働きたい人に向いています。(大手組織設計事務所は、スーパーゼネコンと並び、非常に高い平均年収を誇る傾向が公開データで確認されています)。競争倍率は高い傾向にあるので設計の成績が大きく影響します。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★★
※やりがいは三つ星にもなりえますが、組織の中で希望の建物を設計できるかは運やタイミングもあるので2つ星としています。
構造設計事務所
特徴: 建物の骨組みや耐震性を専門に設計します。 働き方: 意匠系に比べ、比較的経営が安定している事務所が多いです。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★★
設備設計事務所
特徴: 空調、電気、給排水などの設備を専門に設計します。 働き方: 高度な専門性が求められる分、給与も安定しています。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
建設会社(ゼネコン・工務店)

設計図を現実の建物として形にする分野です。就職先の割合としてはこの分野は多いですね。
ゼネコン(総合建設会社)
建物づくりの全工程を取りまとめる大手の会社です。設計部署を配置して、一括で建物をつくる仕事を請け負っている会社も多いです。大きい仕事をあつかっているので給料は安定してます。(スーパーゼネコン5社の平均年収は1,000万円超で業界最高峰であり、平均勤続年数も長い傾向が公開データで裏付けられています)
ゼネコンの設計部
特徴: 大手ゼネコンの社内にある設計部門です。組織設計事務所の設計部と近いですが、自社に施工部門がある点が最大の特徴です。建築学科で優秀な成績を収めた人が多く目指す、魅力的な進路の一つです。 働き方: 自社の施工部門と密接に連携して仕事を進めるため、設計意図がよりスムーズに現場に伝わります。 競争倍率は高い傾向にあるので設計の成績が大きく影響します。【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★★
※やりがいは三つ星にもなりえますが、組織の中で希望の建物を設計できるかは運やタイミングもあるので2つ星としています。
ゼネコンの施工部
特徴: いわゆる現場監督として、工事全体の進行管理を行います。建築学科の卒業生が非常に多く就職する、需要が高い分野です。 働き方: 辞めてしまう人も多い過酷な仕事ですが、現場を動かすという大きなやりがいがあります。ある程度の経験を積むことで、一人前の監督として活躍できます。(施工管理は長時間労働の傾向が強く、厚生労働省の統計でも離職率が高い傾向が示唆されています) 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★★ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★★★ / 安定性/キャリア: ★★☆
工務店
特徴: 地域に根ざした施工店で、住宅などの小規模案件を多く扱います。 働き方: 技術者として現場監督を務めることが多く、地域に密着して働きたい人に向いています。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
ハウスメーカー
自社で規格化・工業化された住宅を全国規模で展開する会社です。
ハウスメーカーの営業
特徴: お客様の窓口となり、プロジェクト全体を調整する役割です。 働き方: 基本給に加えて歩合制となっていることが多く、プランニングや概算見積もりも行います。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
ハウスメーカーのプランナー
特徴: 営業が持ち帰った仕事を、施工可能な図面に落とし込む仕事です。 働き方: 一人で担当できる件数に限りがあるため、歩合制よりも安定した給与体系であることが多いです。(大手ハウスメーカーは、デベロッパーやゼネコンに次ぐ高い平均年収水準にあり、設計業務としては比較的激務度が低い穴場です) 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★☆☆ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
ハウスメーカーの施工
特徴: 下請けの工務店や住宅会社の管理が主な役割です。 働き方: 生産性を求められるため、多くの案件を同時に抱えることになります。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★★★ / 安定性/キャリア: ★★☆
建築を「企画する・支える」就職先
建物を直接「創る」のではなく、その前段階の企画や、関連する分野で活躍する仕事です。
不動産・開発
土地や建物の価値そのものに関わる分野です。
デベロッパー
特徴: 土地の購入から建物の企画・販売までを一貫して行います。 働き方: 企画が主な仕事となるため、外部の設計事務所やゼネコンに発注する側になります。(大手総合デベロッパーの平均年収は業界でトップクラスであり、最高の安定性と給与水準を誇ります) 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★★ / 給与水準: ★★★ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★★
不動産会社
特徴: 不動産の売買・賃貸仲介、建物の管理などを行います。 働き方: 建築の知識があると、顧客への提案がスムーズになります。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
リノベーション会社
特徴: 既存の建物を改修・再生します。 働き方: 工期が短く、多くのプロジェクトを経験できるのが魅力です。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★★
その他の建築に関わる仕事
建築の周辺領域で専門性を発揮する分野です。
建材メーカー
特徴: 窓、ドア、キッチンなどの建物の材料を製造・販売します。 働き方: 顧客である設計事務所やゼネコンに、自社の建材を提案・販売するのが主な業務です。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★☆☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
インテリア設計事務所
特徴: 既に完成している建物の内部空間を設計します。 働き方: 店舗やオフィスなど、タイトなスケジュールで多くのプロジェクトをこなすスタイルになります。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★☆☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
都市計画・ランドスケープ事務所
特徴: 都市のデザイン、土木構造物の計画、建物の外構などを設計します。 働き方: 建物単体ではなく、街や自然との調和を考え、広い視点からまちづくりに関わります。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
専門知識を「活かす」就職先
建築士の知識を活かしながら、教育や行政、メディアなど幅広い分野で活躍する仕事です。

公的/民間機関・教育
建築の知識を公共や教育に役立てる分野です。
公務員
特徴: 国や地方自治体で建築の知識を活かして働きます。 働き方: 建築確認申請の審査、都市開発の計画など、行政を担うやりがいがあります。(公的機関は、労働環境が安定しており、激務度が低い傾向が明確です) 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
民間審査機関の職員
特徴: 民間審査機関で建築の知識を活かして働きます。 働き方: 建築確認申請の審査などを行います。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
大学・専門学校の職員
特徴: 教員として学生に教えたり、営繕として施設の維持管理に携わったりします。 働き方: 教育や研究を通じて、後進の育成に貢献する仕事です。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★☆☆ / 給与水準: ★☆☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★★★
その他の専門職
建築学科で培った知識やセンスを、異分野で活かす分野です。
建築コンサルタント
特徴: 建築プロジェクトの企画や、資金面のアドバイスなどを行います。 働き方: ハードな「ものづくり」よりも、ソフトな部分に興味がある人に向いています。(大手コンサルタント会社の中には、スーパーゼネコンに匹敵する平均年収の企業もあります) 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★★☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
デザイナー(プロダクト・ウェブ・グラフィック)
特徴: 家具や文具、Webサイト、ポスターなど、建築以外の製品やグラフィックをデザインします。 働き方: 建築で培った空間認識能力やデザインセンスなどが活かされます。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★☆☆ / 激務度: ★★☆ / 安定性/キャリア: ★★☆
出版社(建築雑誌)
特徴: 建築作品を取材・編集し、メディアで発信します。 働き方: 建築が好きで、それを多くの人に伝えたい人に向いています。 【OBのリアル評価】 やりがい度: ★★☆ / 給与水準: ★☆☆ / 激務度: ★☆☆ / 安定性/キャリア: ★☆☆
全職種のリアル評価まとめ
ここまで見てきた全職種の「給与」「やりがい」「激務度」「安定性」を一覧で比較検討してみましょう。
職種 | やりがい度 | 給与水準 | 激務度 | 安定性/キャリア |
【創る】 | ||||
アトリエ系設計事務所 | ★★★ | ★☆☆ | ★★★ | ★☆☆ |
組織設計事務所 | ★★☆ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
構造設計事務所 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★★ |
設備設計事務所 | ★★☆ | ★★☆ | ★☆☆ | ★★★ |
ゼネコンの設計部 | ★★☆ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
ゼネコンの施工部 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★☆ |
工務店 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
ハウスメーカーの営業 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
ハウスメーカーのプランナー | ★☆☆ | ★★★ | ★☆☆ | ★★★ |
ハウスメーカーの施工 | ★★☆ | ★★★ | ★★★ | ★★☆ |
【企画・支える】 | ||||
デベロッパー | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
不動産会社 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
リノベーション会社 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★★ |
建材メーカー | ★☆☆ | ★★☆ | ★☆☆ | ★★★ |
インテリア設計事務所 | ★★☆ | ★☆☆ | ★★☆ | ★★☆ |
都市計画・ランドスケープ事務所 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
【活かす】 | ||||
公務員 | ★★☆ | ★★☆ | ★☆☆ | ★★★ |
民間審査機関の職員 | ★★☆ | ★★☆ | ★☆☆ | ★★★ |
大学・専門学校の職員 | ★☆☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | ★★★ |
建築コンサルタント | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
デザイナー | ★★☆ | ★☆☆ | ★★☆ | ★★☆ |
出版社(建築雑誌) | ★★☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | ★☆☆ |
まとめ:建築学科卒業を活かそう!
建築学科で学んだ経験は、どの就職先に進んでも必ず活かされます。
ものを企画し、計画し、それが実現するまでのプロセスを知っていることは、社会に出た後、あらゆる仕事で大きな強みとなります。
社会は常に変化しており、建築のあり方も絶えず進化しています。だからこそ、建築業界は、どの職種も専門性が高く激務な側面があるからこそ、「給与」「やりがい」「安定性」の4軸で進路を比較し、自分が最も納得できるキャリアを選択することが重要です。

自分の興味や得意なこと、そして経済的な部分など、様々な視点から可能性を感じる進路を選ぶことが重要です。この記事で示した**【給与水準】【やりがい度】【激務度】【安定性/キャリア】の評価軸を活用し、「この仕事なら激務でも頑張れる」**と思える進路を冷静に見極めてください。その判断こそが、後悔のないキャリアを築く最大の強みとなります。また新しい情報が入れば、随時更新していきますので、ぜひまた覗いてみてください。
僕は今高2で京大の建築学部に進学を考えています
しかし、京大は就職があまり強くないことを知りどこに行くべきか迷っています
自分としては将来いわゆるゼネコンや設計事務所で働きたいと思っているので
おすすめの大学があれば教えていただきたいです
よろしくお願いします
お問い合わせありがとうございます。
お返事おそくなって申し訳ありません。
あまりこういう質問がくることがありませんでしたので。
おそくなったお詫びとしてできるだけ誠心誠意回答いたします。
大手の企業に行きたいのであれば、東京圏のほうがいいのではないでしょうか。
おそらくコロナの影響で就職採用人数は減っていくと予想されます。
まともな就活ではなかなか「こいつを採用したい!lと思われないでしょう。
就職活動の前に業界にある程度知られていることが大事になってくると思います。
設計であれば、
たとえば「コンペの受賞歴が多い、学業成績がかなり優秀」という型書きは大きな武器になるでしょう。
できれば上記で名が知られるのがいいわけですが、そういう人は一握りです。
他の手も用意しておかなくてはいけません。ではどうすればいいのか。
たとえばいきたい企業や設計事務所に学生時代から出入りすること。
その大学の研究室の先輩のつてでアルバイトなど、頻繁にいきたい設計事務所や企業に出入りできるように動くということも就活準備となるわけです。
(そういうところは大体東京にかたまっているので動きやすい東京圏の大学がいいのではということにつながります。)
そこである程度優秀であるということをアピールしないといけませんけどね。
そうすると顔も覚えられるので最終の面接までいくことができたらそれが武器になるでしょう。
学閥も大事ですよね。おそらく質問としてはここが一番聞きたいところなのでしょうね。
いきたい設計事務所・企業のボスやOBがどういう学歴かも重要になってくるかと思います。
有名どころの企業だと東大、早稲田、東工大などが多いですね。
学生も優秀な人が多いですし、やはりここから人脈をつたって就活するのが近道なのではないでしょうか。
学歴はブランドではなく、人脈が最終的に大事になってくるのを仕事をしていて私は実感しています。
京大を目指せる学力があるのでしたら、上記三校を狙ってみてもいいのではないでしょうか。
はじめまして、私は大学で機械工学を学んでいる学部2年のものです
もともと車や飛行機の構造に興味がありそれを勉強していたのですが、だんだんと興味が建築に移ろいできました
将来は建築士の資格を取得して、地元の友人と建築事務所、工務店を開こうと思っています
そこで、大学卒業後実務経験2年の後建築設備士の資格を、さらに4年の実務経験の後一級建築士の取得を目標に勉強を始めました。
ここで質問なのですが、そもそも建築に関する学歴を一切持っていない私が、建築士(設備士も)の受験に必要な実務経験を積める会社に入社出来るのでしょうか
新卒就職になるので、出来るだけ大きな会社がいいのですが、設備設計などは非建築からも入れると言う事を耳にしまして、そのあたりを詳しく教えていただけると助かります
お問合せいただきありがとうございます。
設備設計の分野は意匠設計や構造設計よりも必要とされている分野です。
事実、私のまわりの設計業界では建物のプロジェクトをすすめるうえで優秀な設備設計者は取り合いになってしまっているのが、現状です。
現に昔も今も機械関連の学部から建築設備関係の会社に入った人は多くいます。私の知り合いでもけっこうそういう人はいます。
なので、建築とは異なる分野でもその経緯や熱意がしっかり雇用側に伝わるのであれば入社は可能です。
ただし、人を今すぐ必要としている中小企業にはすんなり入れるかもしれませんが、本当に行きたい会社(大きい会社)に入社するには建築に興味があることを口頭だけでなく、それをカタチにした表現できるポートフォリオ(今までやってきた勉強をまとめた資料など)がないとその熱意は相手側に伝わらないかもしれません。
自分を表現する資料をしっかり用意して面接にのぞんでください。
機械工学であればCADも使用するはずですので、それが設備設計の仕事でもいかせることを伝えることも効果があるでしょうね。
それをふまえるとポートフォリオでは、
・大学の課題でおこなった機械設計などの図面をまとめたもの
・今まで建築に興味をもって行動したことをまとめたもの
(たとえば、有名な建物の設備図面を自分なりの切り口でトレースしてまとめたものとか、レポートとか)
があるとやる気が相手に伝わるのではないでしょうか。
新卒であれば実務経験は建築であろうがそうでなかろうがゼロからのスタートです。
入ってしまえばあとは努力次第でなんとかなります。
とにかく入るための準備をしっかりして就活にのぞんでください。
ご健闘を祈っております。