建築学科に入学し、将来を設計で食べていこうと決めた皆さん。設計コンペは、あなたの才能を社会に証明する最高のチャンスです。
コンペ入賞という肩書きは、学外で設計の力量が認められた証であり、就職面接でも大きな武器になります。私自身、あるコンペで入賞したことがきっかけで、現在の設計事務所に採用されました。当時は、卒業設計で賞を逃し、自信をなくしていた時期でもあったため、この受賞が大きな転機となりました。

今回は、私の経験と審査員の方々から聞いた話を基に、学生が設計コンペで入選するためのコツと戦略をお伝えします。
コンペ入賞は「就活」を有利にする
設計コンペでの受賞は、単なる名誉ではありません。就職面接であなたの才能を証明する具体的なエピソードとなり、面接官の興味を引きつけます。採用担当者に「この学生は、与えられた課題で結果を出せる力がある」という強い印象を与え、採用を大きく後押しします。
入賞確率を上げる!学生コンペ攻略3つのコツ
何百という応募案の中から選ばれるには、運も多分に関わってきます。しかし、運を引き寄せるための戦略は存在します。
1. 日頃からアイデアを蓄積し、引き出しを増やす
「コンペに応募しよう」と思ってからゼロからアイデアを考えるのは非効率です。普段から「これ、コンペに使えそうだな」というアイデアをメモやスケッチで記録しておきましょう。
この「アイデアの引き出し」が豊富にあれば、出したいコンペを見つけたときに、ゼロベースではなく、すでに持っているアイデアを洗練させる作業から始められます。これは入賞常連者の多くが実践しているスタイルであり、時間を大幅に節約できます。同じ努力をするなら、多くのコンペに応募して、入賞確率を上げましょう。
2. 表現力(プレゼン)に全力を注ぐ
どんなに素晴らしいアイデアでも、その魅力が伝わらなければ評価されません。多くの審査員は、まず視覚的な印象で作品を判断します。
**「見た目の魅力がなければ、中身を深く読んでもらえない」**という現実を理解しましょう。
審査員は膨大な数の図面を短時間で審査するため、最初に目を引く「アウトプット」が重要です。レイアウトやプレゼン資料、図面の線の強弱、フォント、色使いなど、細部にまでこだわり抜くことが、アイデアを見てもらうための最低条件です。
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3. 基本は「個人」で応募する
学生向けのアイデアコンペは、一人で取り組むことをお勧めします。アイデアコンペの多くは、一つの鋭いコンセプトをいかに洗練させるかが勝負です。個人のアイデアを純粋に追求するなら、一人で取り組むのが最適です。
さらに、グループでの活動は就職活動では評価されにくいという側面もあります。採用側が聞きたいのは、「あなたがその課題やコンペでどんな役割を果たし、どんな成果を出したか」です。一人で最後までやり遂げた経験は、ポートフォリオで最大限にアピールできる貴重な財産となります。
まとめ:たくさんの挑戦が、成長への近道
コンペでの入賞は、あなたの才能を客観的に証明するものであり、就職活動を有利に進めるための強力な武器になります。
アイデアの蓄積、プレゼンへのこだわり、そして一人でやり抜く力。これらは、コンペで結果を出すだけでなく、社会に出てからも通用する普遍的なスキルです。