一級建築士製図試験の勉強法:一発合格者が教えるコツ

一級建築士の学科試験を突破した皆さん、次なる難関である製図試験は、まさに時間との戦いです。普段はCADで仕事をしているのに、試験では手描き。たった2ヶ月半という短期間で、試験特有の課題を攻略しなければならない現実に、途方に暮れているかもしれません。

しかし、安心してください。この試験は、正しい攻略法を学び、実践すれば必ず合格できます。

このブログでは、**製図試験を一発合格した私が、合格に不可欠な「思考法」と「予備校の必要性」**についてお伝えします。

一級建築士資格

 

なぜ独学では難しいのか?合格者が語る予備校の必要性

 

「私は設計事務所に勤めているから、製図の腕には自信がある」。そう考える方もいるかもしれません。しかし、製図試験は単なる作図コンペではありません。合格するために必要なのは、**「試験特有の攻略法」**です。

私自身、最初のうちは完璧なプランを目指してしまい、時間内に作図を終えることができませんでした。しかし、それは仕事のやり方であり、試験の攻略法ではなかったのです。

予備校は、あなたの持つ知識や作図技術を、合格するための**「時間管理」と「減点されないプランニング」**というスキルへと昇華させてくれます。

  • 独学で陥りがちなワナ:

    • 完璧主義: 「いいプラン」にこだわりすぎ、制限時間内に作図が間に合わない。

    • 自己流の限界: 課題文の読み取り方やエスキスの手順が非効率的で、無駄な時間を費やしてしまう。

  • 予備校が提供するもの:

    • 合格のためのメソッド: 時間内に合格ラインの図面を完成させるための、効率的な手順とノウハウ。

    • 客観的なフィードバック: プロの講師があなたの図面をチェックし、減点されるポイントを具体的に指導してくれる。

合格への一番の近道は、予備校で「試験を攻略するスキル」を徹底的に叩き込むことなのです。

 

製図試験に合格するための4つの攻略法

 

製図試験は、知識量よりも時間管理能力正確性が問われる実技試験です。必要な知識や傾向は予備校や市販テキストで学べますが、私が経験からお伝えするのは、**「時間をどう節約し、合格図面を完成させるか」**という実践的なコツです。

製図試験のプロセスは、「課題文読み取り」「エスキス」「作図」「計画の要点」の4つに大別されます。それぞれのフェーズで、いかに無駄を省き、精度を高めるかが勝負です。

 

課題文読み取り:マーキングは「エスキスのための整理」

試験で配布される設計条件の書かれた課題文は、多くの受験者が蛍光ペンでマーキングするでしょう。しかし、「なんとなく」引いていては意味がありません

時間のロスをなくす: 全体の情報を迅速に整理し、プラン検討中に課題文を何度も読み返す際の時間のロスを最小限に抑えることが、マーキングの真の目的です。

マーキングの目的: 案の検討、つまりエスキスをする上で、課題文を見直しやすくするためです。

蛍光ペン

 

エスキスは「失格しないプラン」を時間内でつくる

作図に入る前に、必ずエスキスでラフなプランやイメージを固めてください。作図中に図面を引きながら考えるという状況を避けるため、エスキスの精度を高める必要があります。

試験のゴール: 良いプランであることは大事ですが、それが合格の絶対条件ではありません。「失格にならないプラン」を制限時間内につくることが、合格するための最優先事項です。時間の中でプランニングをコントロールすることを常に意識してください。

重要な注意点: 「内容の精度」とは、完璧なプランを目指すことではありません。作図をきちんと完成させるための、最低限必要な要素を入れ込むためのエスキスです。

陥りやすい罠: 特に設計事務所に勤めている人は、完璧なプランを目指す傾向にあり、ここで時間を浪費しがちです。私自身も最初はこの罠にはまり苦労しました。

 

作図を早く描く目的は「見直し時間の確保」

エスキスが完了したら作図に移ります。普段CADで作業している方は、学生時代以来の製図版を使った手描きに苦しむことが多いでしょう。試験時間は決まっていますので、時間配分を厳密に決め、早く描き上げる訓練が必要です。

印象向上: 名称などの文字の描き込みは丁寧に上手に記入しましょう。それだけで、図面全体の印象が大きく向上します。

訓練の優先順位: 早いうちに時間内で描き上げる訓練を行い、時間のスケジュール方針を固めることで、勉強全体に余裕が生まれます。

早く描く先の目的: 早く描き終えることの究極の目的は、基本的な作図部分の「書き漏らし」がないかを入念に見直す時間を確保するためです。

正確な表現: 採点官にプランを見てもらうには、図面で表現しうることを正確に表現しなければなりません。名称や補足文章の書き漏れや間違いは、そのまま減点対象となります。

 

計画の要点は「作図前」に書くことで完成度を高める

計画の要点は、年々重要度が増しており、すべてを埋めて書き終えるのに1時間近く費やすこともあります。しかし、ここも重要視されているため、書きなぐって終わりにしたくはありません。

効率化のコツ: 解答例などを見ながら書き写し、自分の引き出しを増やしましょう。特に構造や設備に関する文章はある程度のフォーマットが決まっているため、暗記しておくと効率的です。これにより、「こういう案がきたら、こうやってまとめよう」という自分なりの文章の書き方が確立できます。

推奨策: 作図を始める前に、計画の要点を先にまとめてしまうことを強くおすすめします。

メリット:

時間切れの防止: 時間がなくなって焦ることで、コンセプトや説明文章が支離滅裂になることを防げます。

プランの安定: 要点を先に書くことで、作図途中でプランを変更したくなる衝動を抑えることにつながります。


 

まとめ

 

製図試験は、仕事の片手間で攻略できるほど甘くはありません。しかし、正しいノウハウを学び、効率的に時間を管理すれば、必ず一発合格できる試験です。

**製図試験の合否は、予備校選びにかかっていると言っても過言ではありません。**私自身の経験から、合格への近道となる予備校の選び方や比較をまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてください。

一級建築士製図試験に必須の予備校の比較はこちら

一級建築士製図試験に必要な道具はこちらの記事をチェック

上部へスクロール