「勉強しているのに、なぜか模試の点数が伸び悩む…」
それは、間違った勉強法や非効率な戦略で膨大な知識を詰め込もうとしているからかもしれません。

一級建築士の学科試験は、ただ知識を覚えるだけでは突破できません。限られた時間の中で合格を掴み取るためには、5科目を戦略的に捉え、得点源と捨てる分野を明確にすることが不可欠です。
この記事では、**筆者自身が実践し、学科試験を突破した「効率的な勉強のコツ」**と、教科別の具体的な得点戦略を全て公開します。無駄な努力を止め、最短ルートで合格ラインを超える方法を知り、今すぐあなたの勉強法を最適化してください。
必勝! 学科試験の全体戦略と勉強のコツ
1. 教科書は各科目一つに絞り込む
具体的な知識のインプットには、テキストを各科目一つに限定しましょう。予備校の教材であれば、出題傾向をプロが分析して作成されているはずです。ここでいうテキストとは、基礎知識を確認するための辞書的な役割を持つ教材を指します。複数の教材に手を出すと中途半端になるため、一冊を徹底的に使い込んでください。
2. 過去問は手が答えに反応するまで徹底的に解く
試験勉強の基本ですが、過去問演習は徹底してください。目標は、過去問と同じ傾向で出題された問題は100%正解できるレベルに到達することです。これだけで、合格最低ラインは超えることができます。
- 具体的な方法: 過去問10年分を最低2回はしっかり解きます。
- 暗記のコツ: 問題文だけでなく、選択肢の内容も理解し、「この問題はこういう知識を問うタイプだ」と瞬時に判断できるように訓練します。一字一句の暗記ではなく、問題のパターンを体に覚え込ませ、手が勝手に答えに反応するレベルを目指しましょう。
3. 効率的なオリジナルノートの作成
過去問を解き進めると、必ず毎回つまずく問題が見つかります。これらを整理したものが、自分だけのオリジナル教科書となります。
- 時間がない場合の代替案: 忙しくてノート作成の時間が取れない場合は、既存のテキストに直接書き込む方法をおすすめします。間違えやすい箇所やテキストに不足している情報を書き込み、マーカーで目立たせておきます。試験直前は、この書き込み部分だけを効率よく確認できます。
4. 過去問を小分けにしたミニテストを日課にする
インプット(覚える作業)だけでは、いざ本番で問題を解くときに手が止まってしまうことが多いです。覚えた知識を定着させるため、アウトプット(問題を解く作業)を日々行うことが重要です。
- 実践法: 毎日、5~10問程度のミニテストを解く時間を作ってください。問題を解き、答え合わせをして、その場で理解する。この数をこなすことで、問題文をスラスラ読めるようになり、自然と答えが絞られていきます。
5. 模擬試験は必ず受ける
独学・予備校問わず、必ず模擬試験を受験してください。
- 本番慣れ: 周囲に人がいる緊張感に慣れることができます。
- 問題の入手: 模擬試験問題は、プロが最新の出題傾向を研究し尽くした**「研究の結晶」です。普段の学習では触れない新傾向の問題**にも対応できるようになります。
- 復習: 模擬試験を受けた後は、問題を必ず持ち帰り、3回は解き直しをしましょう。本番さながらに時間を計って臨むのがベストです。
5科目別の得点戦略
試験科目が5つあるため、得意・不得意に関わらず、得点しやすい科目を見極める戦略が合格には必須です。
1. 計画
設計や計画の経験がある人は**「知っている」と油断しがち**ですが、これが落とし穴になることがあります。この科目は難易度が高い傾向にあるため、まずは確実な知識を身につけ、つまずかないための対処を心がけます。建築的な知識を誰かに講義できるような意識で勉強すると、楽しく、自然に記憶に定着していきます。
2. 環境・設備
この科目は、システムを図や実際の設備としてイメージすることが大事です。字面だけでは理解しにくいため、苦手意識を持つ人が多い分野です。わかりにくい部分は自分で絵や図を描くことで理解を深めましょう。計画と比べると易しい問題が多く、得点源になりやすい科目です。
3. 法規
法規は満点を目指す、最大の得点源です。
- 目標レベル: 問題を見て法令集を引かなくてもすぐに答えられるレベルを目指します。法令集を引くのは、どうしても迷うところだけに限定します。
- 時間短縮: これにより、問題解答時間を大幅に短縮し、見直しの余裕が生まれます。法規は本当に時間との戦いです。
- 勉強法: 問題を解きまくり、間違えた部分はテキストでチェックする作業を徹底的に繰り返しましょう。
4. 構造
構造専門以外の人は特に苦手としやすい科目です。筆者はここで大胆な戦略をとりました。
- 文章問題重視: 計算問題は簡単な部分だけを解き、応用的な計算問題は捨てるという割り切りをしました。その分、文章問題をひたすら暗記するほど徹底的にやり込みました。
- 結果: この戦略で、計算問題半分、文章問題ほぼ全問正解という結果を得られ、構造が法規に次ぐ高得点となりました。テストには戦略が不可欠です。
5. 施工
この科目は、ビジュアルイメージと関連づけながら覚えることが重要です。
- イメージ重視: 現場経験がある人は特に理解しやすいでしょう。予備校のDVDなどで映像資料を見られる場合は、それを繰り返し見て、問題が出たときに「映像で見たあの場面だ」と思えるようにすることで、問題の取りかかりやすさが変わります。
まとめ
上記の勉強法は一見すると当たり前の観点かもしれませんが、筆者自身、独学で失敗し予備校に通い始めてから、試験の2ヶ月前になってようやくこの勉強法に気づき、実践しました。
勉強方法に気づき、それを確立するには時間がかかります。ここに書かれたことを実行し、自分に合ったやり方を見つけ、効果的に続けることができれば、必ず学科試験をパスできます。あと少しです。頑張ってください!
