一級建築士の受験資格は?新制度の最短ルートと法改正の要点

私は、努力を重ね一級建築士の資格を取得しました。その苦労から逃れるように、実務や建築の魅力に没頭する平和な日々を送っていた私に、ある日、大きな衝撃が走りました。

それは、2020年の**「建築士法の一部を改正する法律」**の可決です。

「建築士試験の受験資格が緩和される」というその内容は、私のような苦労人にとっては大きな驚きでした。なぜなら、その改正は、建築士不足の現状を打破するため、より多くの若者に資格取得の門戸を開くという、国の明確な意思を示していたからです。

今回は、この建築士法改正の具体的な内容と、これから一級建築士を目指す皆さんが知っておくべきポイントを解説します。


 

一級建築士受験資格に関する大きな変更点

 

改正の最も大きなポイントは、**「実務経験が受験資格から除外され、免許登録の要件になった」**ことです。

これにより、試験に合格してから実務経験を積んでも、資格が認められるようになりました。

改正前と改正後の比較

建築士受験比較図(改正前と改正後)

この変更により、例えば大学を卒業した年に一級建築士試験を受験できるようになりました。医師の資格取得のように、**「卒業したら、はい!試験!」**というフローに変わったのです。

 

新制度で可能になった最短ロードマップ

 

新制度では、以前に比べて格段に若くして建築士の資格を取得できるようになりました。

  • 高卒の場合:

    • 工業高校の建築科を卒業後、同年の二級建築士試験を受験できます。

    • 二級建築士に合格後、最短21歳で一級建築士試験を受験できます。

    • その後の実務経験を経れば、最短で23歳で一級建築士の免許登録が可能になります。

  • 大卒の場合:

    • 大学卒業後、同年の一級建築士試験を受験できます。

私が経験した苦労を考えると、本当に羨ましい限りです。

 

現役建築士が考える、新制度のメリットと注意点

 

受験資格の緩和は、個人的には賛成です。仕事と勉強を両立させるのは想像以上にハードで、仕事や家庭に大きな負担がかかることも少なくありませんでした。

  • メリット:

    • 勉強に集中できる: 実務経験を積む前に試験勉強ができるため、時間を取りやすい学生時代に集中して勉強に取り組めます。

    • 実務と資格取得の役割分担: 実務は現場で経験を積みながら学ぶべきものであり、資格取得は知識を固めるためのものという、本来あるべき姿になったと言えるでしょう。

  • 注意点:

    • 難易度の上昇: 受験資格が緩和されたことで、受験者が増え、試験の難易度がさらに高くなる可能性があります。

    • 資格の価値: 資格の質を落とさないためにも、より質の高い勉強が求められます。

一級建築士資格は、「足の裏の米粒」と表現されることがあります。なきゃないでいいけど、ないと困る。そんな資格です。これからの時代、さっさと資格を取って、仕事に集中するというスタイルが主流になっていくでしょう。

これから一級建築士を目指す皆さんが、新制度を最大限に活用し、実りある学生生活を送ることを心から応援しています。

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