一級建築士試験の勉強方法

道具選びで作図UP!一級建築士試験おすすめ製図グッズ

製図試験では使用する道具が肝心です。きちんと手入れをして使い、効率的に作業できるようにすることが、製図パフォーマンスを上げることになります。

 でも最初のうちはどの道具を選べばよいかわからないことが多いです。せっかくそろえるなら効果が出やすいものを選択したいですよね。

 そこで今回は、一級建築士試験の製図試験を受験する人向けに、試験経験者としておすすめ製図グッズをコーディネートしてみたいと思います。

 このコーディネートの目的は、「安定、効率的にきれいに製図する」ということを最優先したラインナップとなっています。是非お試しあれ!

製図板(平行定規)

 一級建築士の試験ではA2サイズの平行定規を使用するのが一般的です。

 平行定規もいざ探すとメーカーがいくつかあります。たくさん見ても迷ってしまうだけですので、海外国内の有名どころ2社の製品にしぼってご紹介したいと思います。

 ちなみに製図板ケースは、たいてい製図板を購入すると肩にかけるソフトタイプのものがついてきます。こちらで充分だと思いますよ。

安定品質のステッドラー! 平行定規マルスライナー

 ステッドラー社はドイツのメーカーで、製図道具関係の業界では有名どころです。

 私はこのメーカーを多く愛用しています。安定の品質なんですよね。

 もちろん平行定規も安定性抜群です。なにをかくそう私もこの平行定規を使って一級建築士製図試験合格を勝ち取りました。

持ち運び重視ならMUTOH! ライナーボード

 他にも、国内メーカーであるMUTOHも基礎的な性能が高くおすすめです。

 特にライナーボードは必要な機能と同時に軽量化がなされています。平行定規は試験会場や予備校通いなど持ち運びが必須となりますので、より移動性を重視するならばこちらもありです。

 あとはブラックのカラーリングが気になるかどうかというところでしょうかね。ここはお好みで!

まくら(製図板勾配用)

 まくらとは、製図板に勾配をつけるための道具です。試験会場によっては机の奥行が足りず、製図板のツメを立てることができない場合があります。そんなときのために「まくら」は準備しておいたほうが良いです。「まくら」とそれを固定してとりつける「養生テープ」を持っておくことをおすすめします。そしてそれを普段から使用することもおすすめいたします。

 「まくら」は大手の資格学校で配布されています。通われている人は学校にお願いするともらえるかと思います。段ボールでもつくれます。わざわざ買う必要はないです

注意点としましては試験当日において

・傾斜角度は「30度以下」。

・「まくら」そのものは傾斜用の軽易なもの。

とでていますので、やりすぎないようにしてくださいね。

シャープペンシル

 製図用のシャープペンシルは自分の筆圧にあわせた芯の太さ細さのものを選びましょう。

 製図に慣れている人はひとつのシャーペンで太さを描き分けることができるのですが、慣れてない人にはそれが難しいです。そんなときは、太さの異なるシャーペンを用意して使い分けるのがいいです。私も最初は使い分けていて、一つのシャーペンで線の太さを分けることができるようになったらひとつにしました。

 最初は2本くらいを使いわけたほうがいいので、ぱっと見、色で判断できるように最低2種類ちがうタイプを用意したほうがいいと思います。まずは以下の2種類を試してみてはいかがでしょうか?

ステッドラー シルバーシリーズ 製図用シャープペンシル925 25

 こちらはデザイン・機能性ともに高いシルバーボディタイプです。4mmのロングスリーブ仕様で定規を当てても広い視野を確保することができ、正確性が高い線を引くことができます。

 グリップは堅く低重心でフィット感も抜群!製図試験のような長時間の使用でも疲れにくいです。

ステッドラー 製図用シャープペンシル925 15

 こちらのブラックタイプは、ラバーグリップを採用した軽量シャープペンシルです。こちらも4mmのロングスリーブ仕様と、安価でありながら製図用シャープペンシルの性能も最低限もっている商品です。ラバーグリップはフィット感もやわらかく、製図用だけでなく一般筆記にも最適です。

 私はラバーグリップのほうが手に合っていましたのでおもにこっちを多く採用しておりました。

 

三角定規+テンプレート

 平行定規で製図をする際に必須となるのが三角定規。そしてテンプレート。一級建築士試験はほぼRC造のラーメン構造であることが多いので、柱を均一に配置していきます。その際にはテンプレートを使用して柱をひたすら描くことになります。

そこで見つけたのがこちら!「バンコ 三角定規45°テンプレートプラス」という三角定規とテンプレートいっしょになってるタイプです。製図試験のため予備校に通っていたとき、同じ教室の受講生が使っていたのを見て、すぐマネをして購入しました。使ってみてやはりこっちのほうが断然使いやすいなと思いましたね。テンプレートの配列が、縦横で同じ種類が並んでいるため効率的な作図ができます。これ発明した人、天才!

スケール

 一級建築士の製図試験は1/200の縮尺であることがほとんどです。そして製図に入る前のエスキスにおいては1/400の縮尺で行うのが考えやすいです。ということで、製図においてはスケールも必要になってきます。

 15センチタイプの三角スケールがあると小回りが利きますし、エスキスしやすいです。必ず用意しておきましょう。縮尺によって色が異なるコクヨのものをおすすめします。

消しゴム

 線は一度描いたら消さないようにするのがベストです。でもなかなか最初のうちはそうもいきません。気持ちの安定もかねて消しゴムは持っていたほうがいいです。

 普段使う四角い消しゴムですと、細かい部分がいっしょに消えてしまったりすることもありますので、ペン型の消しゴムを持っていると便利です。

 消しゴム断面が四角いタイプと丸いタイプが売られていますが、経験上使っていて折れにくいのは四角いタイです。替えの消しゴムがすぐに手に入るメジャーな国内メーカーをおすすめします。

刷毛

 刷毛は消しゴムや芯の粉を図面から取り払い、汚れるのを防ぐために使います。図面をきれいに仕上げるために定期的に刷毛をかけましょう。手でほろおうとすると、なんだかんだで図面が汚れてしまいます。また息でふううっと吹き飛ばす人がいますが、つばが出てしまい、それで汚れてしまう危険性があるので私はおすすめしません。ドラパスの刷毛が無難に使いやすいですね。購入後経年しているものは毛が抜けやすくなっているので買い替えましょう。

蛍光ペン

 課題文のポイント部分をマーキングするのに必須なアイテムです。やはり5色くらいはもっていたほうがいいですね。

 あと、蛍光ペン以外にも赤や青のボールペン(ペン先が細いタイプ)があると便利です。うまく使い分けながら、課題文の情報を整理しましょう!消せるフリクションタイプのペンのほうがおもいきってマーキングできますよ!

小物立て

 小物立ては多くの道具を整理しておくのに役に立ちます。時間が勝負の製図試験です。自分の道具の引き出しやすさ見つけやすさなどを整理しながらそれにあった小物立てを用意してください。100円ショップに売ってあるもので十分かと思います。あと強いていうなら倒れにくいものにしましょう!

ドラフティングテープ

 ドラフティングテープは製図板に製図用紙を固定するために使います。

 製図板によっては用紙固定用に薄いマグネットがついてきます。でも私個人としてはドラフティングテープに慣れていたほうがいいと思います。というのもこういうマグネットはいつ不具合が生じてしまうかわかりません。ドラフティングテープならひとつ用意しておけば、しばらくは使える量になっていますので、もしもという余計な心配要素を排除できると思います。

フローティングディスク

 フローティングディスクとは、使用する定規の裏に接着して使うアイテムです。接着したシールによって定規と製図の間にスキマが生じ、作図によって発生したシャープペンシルの芯粉が定規間の擦れによって製図用紙が汚れるのを防ぎます。名前のわりに地味な存在ですが、筆圧が強く作図で芯の粉が図面上に出やすい人は絶対やっておいたほうがいいです。

紙の汚れ防止用手袋

 こちらは製図中に手についたシャープペンシルの粉と手汗によって図面用紙を汚さないようにするためのアイテムです。筆圧が強くシャープペンシルの粉がよくでる人、手汗をよくかいてしまう人は必須アイテムです。

 私なんかは手汗をよくかいてしまうタイプでしたので、これを教えてもらったときにはすぐ用意しましたね。もちろん、どこかで綿の手袋を購入して、自分で指の部分を切って使用するというのもいいと思います。

図面ケース

 図面ケースは勉強するうえで必要になってきます。特に自宅で勉強できない人、予備校に通って勉強する人にとっては必須アイテムです。

 図面ケースは、図面を丸めて収納する円筒タイプとA2サイズ用の製図ケースがありますが、後者をおすすめいたします。やはり丸めるとくせがついて、広げたときに修正がわずらわしいです。どうせ、製図板も持つことになるのであればそれと同じ大きさの製図ケースがあったとしてもたいして変わらないかと思います。あとぶつけて製図が折れたりしないようにハードタイプを選択したほうがいいと思います。セキセイやコクヨにそのタイプがありますよ。

電卓

 学科試験で使用していた人もいるかもしれませんが、さらに製図試験で電卓は必須アイテムとなります。面積関係、とくに建蔽率や容積率の確認においては電卓なくしてはスピードを上げることはできないです。

 電卓はボタンの押しやすさを考えるとメジャーなメーカーかつ大きいサイズのものがいいです。電卓は100円ショップでも売ってはいるのですが、やはり安かろう悪かろう。ボタンも押しにくいし、壊れやすいです。しっかりしたものを準備しておきましょう!おすすめメーカーはカシオ、シャープあたりでしょうかね。

ストップウォッチ

 製図試験はスピードが勝負ですので、目標時間を設定しながら徐々に時間をつめていくという方法が堅実かと思います。

 そのためには11枚製図をしあげるのに対し、時間を計って管理するのが一番であると思います。普通にストップウォッチもいいかと思いますが、ないのであれば、スマホにストップウォッチ機能がついているのでそれを使うと便利です(ただスマホは試験で使用できませんので注意です)。

コンパス・勾配定規・分度器

 たいして使わない。もしかしたら1回も使わないかもしれないコンパス・勾配定規・分度器。

でもですね。ないと困る場合があったりするんですよね。一応、用意ておいたほうがいいです。勾配定規は使い方を確認しておきましょう!

日々の道具チェック・手入れは忘れずに!

 いかがでしたでしょうか?私の経験上、思いつく限りの製図道具をご紹介いたしました。さいごに製図道具に関する注意点をあげておしまいにしたいと思います。

 道具は本番で普通に使えることが大切です。そのためには試験直前はもちろんのこと、日々その道具がきちんと動くかを確認する必要性があります。たとえばシャープペンシルの先は折れていないか?ペンのインク切れはないか?製図板はうまく動いているか?電卓の電池は入っているか?定規に汚れはついていないか?

 毎日使っているからこそ、そのチェックや手入れは忘れがちです。あたりまえに使えるという頭になってしまいがちなのです。それが、試験を解くうえで見直しするという行動にもつながったりします。試験勉強期間、製図道具は受験生にとって体の一部になります。大切に扱って本番にのぞんでください!

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