先日ブログでふれましたが、新制度によって製図試験の免除期間が延長されました。
これは試験合格への勉強戦略に対しても大きく影響するのではないかと考えます。自分の時間とお金を有効に活用し、そして最終的には資格をゲットするため、あらかじめ自身と相談しながら準備を進めてゆく必要があります。
そこで今回は、現在一級建築士である私が受験生であったらということを想定しながら、学習計画のパターンを提案してみます。もちろんこれは個人差がありますので、一つの参考例として見ていただけたらと思います。
一次試験(学科試験)の学習計画
学科試験に関しては受験資格が緩和したというのがおもな変更内容となりますので、ここは特に学習計画の方針としては変わりません。
まず最初は予備校に通おう!
ここは以前から私が一貫してブログで書いていることなのですが、まず通って試験勉強の方法を自分でしっかり確立しましょう。
もちろん通わなくてもできる優秀な人(ここでいう試験に強い人)は独学でもいいかもしれませんが、毎日時間をとって勉強するという習慣を自分でできない人は自身にむちを打って強制的に試験勉強モードをつくりあげなくてはいけません。自分に甘い人は予備校に通いましょう!
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一年目の学科試験で落ちた場合はどうする?
落ちてしまった場合に関しては人によって方針を変えてもいいかなと個人的には思います。ちなみにわたしであれば落ちてしまった場合、来年は学科講座は受けないで、ひたすら独学ですね。学科講座をとおして勉強のしかたはおぼえたのでそれをしっかり実行するまでです。
お金がある人はまた受講してもいいと思いますが、けっきょく勉強法がある程度確立している段階で通うのはお金の無駄ではないかなと私は考えます。もう学科は自学で大丈夫です。
二次試験(製図試験)の学習計画
製図試験へ向かううえで、新制度では学科免除期間が延長されたので、学習の計画方法はここで大きく方針が枝分かれすることになるかと思います。
一年目は製図試験免除も選択肢としてはアリ!?
もし新制度で勉強をするなら一年おいてから受験しあたほうがいいというのが現時点では一番いいような気がします。
もちろん設計に自信がある人はそのままの勢いでいってもいいかもしれません。
ただし、設計を本業としていない建築関係者が受験するのであれば、設計を大学で勉強していたとはいえ、そこから2か月半くらいで合格するレベルにもっていくのはそうとうな努力が必要であります。仕事を両立するのであれば時間はないです。
ただでさえ、私自身、実際に課題を解いてみて感じたのはその試験問題の難しさと受験時間内に求められていることの多さです。これらを処理して図面にまとめていくには、ある程度の建築設計の勘や常識が備わった状態、そして設計を生業としているプライドも必要になってきます。つまり、普段実務で触れていないとかなり厳しいのではないかなと感じたりします。
製図試験を一年目に見送る判断材料
では製図試験を見送って免除期間の延長を活用する判断材料はなんなのか?ここをいくつかあげてみたいと思います。
建築設計が本業であるか?
ここはプライドとモチベーションという部分がしめてくる問題となってくるのですが、試験勉強にむかうにあたってはこれも非常に重要になってきます。私ですと建築の設計を本業で食べていますので、もし受験の状況にあったら、学科試験にパスた流れと自分の設計力、そしてプライドをかけて無理をしてでもそのまま製図試験にむかっていくだろうなと思います。自分としてはそうしないと勉強のモチベーションがあがってこないかなというのがあります。
勉強時間をつくれるのか?
仕事で勉強時間がとれないのであれば意味がありません。
企業に属しているのであれば、まず会社と相談して、時間が十分にとれないのであればその年の受験は見合わせるという選択もありなのではないでしょうか?
大手の企業だけでなく、試験もあり、きちんと配慮してくれる良心的な中小企業も最近多くなっています。でもやはり今ご自身が進めているプロジェクトの進行状況が影響されるでしょうね。
製図が早くなるのか?
まず製図が早くならないのなら、今年は断念するべきでしょう。ここが遅いままですと正直お話になりません。というのは、製図が遅いと勉強する時間が減っていってしまうのです。
「たとえば製図に5時間も6時間もかかったとしましょうよ。このロスは大きいですよ!」
試験に受かって1週間図面を毎日1枚書いてみて(計7枚)、3時間台にいかないならけっこう厳しいですね。免除も検討に入れていきましょう。
製図試験1年目を免除した場合の勉強
では製図試験1年目を免除した場合、来年までにやっておくこととは?
もちろんいろいろやればそれはいいと思いますが、基礎をしっかり固めておくというのがまず大事であります。
作図スピードをあげる
とりあえず製図の早さは枚数をこなすことでコツが自然とつかめてきますから、まず量をこなしましょう。ただし、描いているときに気づいたコツなんかはきちんと覚えるもしくはメモしてノートにしておくなど、自分なりの方法論を確立しておくことは必要です。その積み重ねがスピードを徐々に上げていくでしょう。
課題文の文章になれておく
製図の課題文はある意味独特な言い回しもありますし、読んでいるとその構成パターンもつかめてきますので、読む練習というのもやっておいたほうがいいでしょう。あと、課題文では大事な箇所にマーカーで線も引くことになります。線の引き方も自分のルールを確立しておいたほうがいいですね。
エスキスの基本プロセスの把握
まあ何と言っても製図試験においてはエスキスが肝になります。問題をたくさん解くのももちろん大事なことなのですがその思考の基本的なプロセスを体にしみこませることも大切です。それをまずはひとつずつなんのためのプロセスなのか理解しておくことが大事ですね。問題を解きながらなのか、それとも解答から反対に思考を追っていっての確認なのか、その勉強は人それぞれではあると思います。いろいろ勉強を試してみてください。
課題で必須の法規を理解
昨今の建築士試験においては、法規が重要視されています。やはり建築士試験たるもの、確認申請をすんなりとおるレベルでないと合格にはなっていかないと思います。面積や道路斜線関係などのほかに防火に関するものも厳しくなってきていますよね。解答例をよく見て、どういうところが重要視されているかをチェックしてその知識を完璧にしておきましょう。
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ここで私が考える予備校の使い方としては、上記したことをまとめると、
・学科は初めての受験のときは講座に通う(落ちたら独学で次の年は受験)
・製図は課題発表後に行われる短期の講座に通う(一年目免除の場合はそれまで独学)
この2つはやはり必要だということです。
要はこの2つの講座で決めるという準備をきちんとしてのぞむと合格に近づけるということです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?試験に対する根本的なアプローチを考えることで、勉強に対するリアリティもでてきますし、モチベーションを設定しやすくなるはずです。
勉強のアプローチは
①内容を理解したうえで問題を解いていくか
→ 時間がかかる
②問題を解きながら内容を理解していくか
→ 時間短縮だがおそらくすぐ忘れる
この2つがあると思います。そのアプローチ方法で自分はこれまでどうしてきたか、何が適しているかを判断できるのであれば、一年待ってのぞむということは合格の可能性を上げることになるのではないかなと私個人としては思います。
このブログでは一級建築士試験の大枠からとらえた勉強の仕方やアイデアをこれからも発信していきたいと思いますので、受験を考えている方は参考ヒントとしてとらえていただければ幸いです。
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