現役建築士が語る!「建築インターンシップ」と「オープンデスク」の決定的な違い

将来、建築設計の道に進みたいと考えている皆さん。設計事務所や施工会社で働くことを体験したいと思う方も多いでしょう。

建築設計事務所インターンシップ交流イメージ

しかし、「建築インターンシップ」と「オープンデスク」の違いを正しく理解しているでしょうか?学生時代に両方を経験した私から、これから一歩を踏み出すあなたへ、心からのアドバイスをおくります。

 

建築インターンシップ:大学の単位になる「職業体験」

 

建築インターンシップは、多くの場合、大学の授業の一環として行われる「職業研修」です。

大学の制度を利用して、登録されている設計事務所や企業に応募し、特定の期間(私の場合は約2週間でした)、そこで実務を体験します。授業の一環であるため、基本的に給与は発生しません。

【私の見解】 建築インターンシップは、**「大学が認めた学びの場」**です。給与は出ないものの、正式な制度として確立されているため、受け入れ側も学生への教育に責任を持ってくれます。

CADの使い方から教えてくれたり、時には他大学の学生と交流する機会も得られます。孤独な模型作業中にアルバイトに来ていた学生と出会い、共に作業した経験は、私にとって貴重な交流の場となりました。

結論:建築インターンシップは、大学が認める安全な学びの場です。

 

オープンデスク:その「やりがい」は誰のため?

 

建築インターンシップ制度を使わず、給与も発生しない、個人的な関係で行われるのがオープンデスクです。私の経験から言えば、これは「丁稚奉公(でっちぼうこう)」に近いものだと感じています。もしかしたら時代的にもう使われなくなった言葉かもしれません。

【私の見解】 「大学では学べないことを知りたい」「社会とつながりたい」という思いから、私も経験しました。

たしかに、設計事務所の雰囲気や、建築家であるボスと直接話す機会、模型制作の奥義を教わるなど、良い部分もありました。しかし、働くことへの対価が一切ないことに、私は強い疑問を抱きました。

当時の有名設計事務所では、多くの学生や、ひどい場合は卒業したばかりの若者がオープンデスクに通い詰め、無給で模型制作を手伝っていました。それが事務所の運営を支えていると聞いたとき、**「この制度は、何かがおかしい」**と強く感じました。

結論:オープンデスクは、あなたの情熱が搾取されるリスクをはらんでいます。


 

最後に伝えたいこと

 

現在、建築業界でもこの問題が指摘され、オープンデスクは以前より少なくなっていると思います。しかし、それでもなお、あなたの情熱を利用しようとする場所はあるかもしれません。

建築を志す皆さんに伝えたいのは、**「働くことは、自分の時間とスキルを提供し、その対価を得る行為」**だということです。お金だけでなく、経験、人とのつながり、働くことに対する考え方を深めること。

あなたの貴重な時間と情熱は、正当に評価されるべきです。私の経験が、皆さんのキャリアの羅針盤となることを願っています。

↓建築系アルバイトに関しての記事も書いています!

↓建築学科の就職先についての記事も書いています!

上部へスクロール