建築士という資格

一級建築士試験製図課題「美術館の分館」の作品事例を3つ紹介!

一級建築士を受験のみなさん、学科試験おつかれさまでした。合格ラインにのった方々はしっかり次の製図試験に目を向けて勉強しておりますでしょうか?

去る2019年7月26日に、一級建築士試験の製図課題が「美術館の分館」と発表されましたね!多くの方々が基準階タイプを予想したなかでのこのゾーニングタイプでの出題!みなさんはどのような感想をもたれたでしょうか?

さて、お題も決まったということで、まずは試験に対するモチベーションやビジュアルとしての建物確認のため、事例を見学することを私は前回のブログでおすすめいたしました。

令和初の一級建築士を目指せ!製図課題発表と試験合格のコツ伝授

とは言っても、どの建物を見ればいいかなと考え悩んでいる方もいらっしゃると思い、今回、私が国内(東京周辺のものにしぼってみましょうか!)にあります、美術館のなかで、これは参考になるのではないかなと考えた建築作品を3件ほどご紹介いたしますね!

国立西洋美術館

1959年に開館した国立西洋美術館は近代建築の巨匠ル・コルビュジェが基本設計をてがけた作品です。2016年、日本に現存する20世紀建築物として初めて世界文化遺産に登録されました。

パウレタ(一級建築士)
日本に残る唯一のコルビュジェ建築ですよね

この美術館はコルビュジェが無限に成長する美術館をコンセプトに設計しており、巻貝が成長するように将来的な拡張にともなって外側へ建物を継ぎ足していける構造になっています。建設に当たっては、実施設計を彼の弟子である坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の3人が担当し、コルビュジェがつくりだしたモデュロールという単位を設計に採用しながら寸法が決められてゆきました。1998年には大規模な免震レトロフィット工事を行い、建築と展示作品、そして何よりも人間を地震から守る安全に使用し続けることができるように改善したことは学科の問題でも見かけたことがあるのではないでしょうか?

新館

美術館の設立20周年(1979年)に増築した建物です。本来の構想であれば本館を拡張していく形つくられるべきでしたが、実際には新館の建設というかたちで対応がなされてしまいましたね。本館とともに欅や銀杏、楠などを抱き込むように配置されて生まれた中庭が特徴的です。

設計:株式会社前川國男建築設計事務所

企画展示館

こちらの建物は1997年に建設され、館内は展示部門、研究部門、管理部門の3部門からおもに構成されています。西洋美術館における21世紀へ向けた企画展や美術作品の修復保存、そして教育やその情報資料をふまえたミュージアムとしての活動をより充実を目指したものとなっています。

設計:建設省関東地方建設局営繕部、株式会社前川建築設計事務所

五島美術館

東京都は世田谷区にある、鉄道王五島慶太氏の収集した美術品を展示する私立美術館です。上野毛駅から徒歩5分ほどの場所に位置するこの建築はおよそ6000坪ある庭園も美しいんですよね。多摩川に向かって雑木林が深く傾斜するその場所には季節ごとに多彩な花を咲かせ、散策路には茶室や立礼席があり、茶会なども催されたりしています。 1960年にオープンした建物本館は数奇屋建築の現代的表現者である建築家吉田五十八が設計しました。意匠に寝殿造の要素を現代的なかたちで取り入れ、1961年には建築業協会賞を受賞しました。

別館

2012年、開館50周年をむかえるにあたって大規模な増改築工事がおこなわれた建物です。改修および増築に関しては、オリジナルの開館当初の姿をできるかぎりそのままに留めながら耐震補強工事など、館内の設備を刷新し、デザインに忠実に寄り添うかたちをとるという基本方針のもと進められました。空間部分に関しては従来の展示室に加え、本館講堂を展示室に改装し、新たに集会室を増設されています。

設計・施工:清水建設

デザイン監修:堀越英嗣 (ARCHITECT 5)

※参考資料:新建築2012年11月号

群馬県立近代美術館

群馬県高崎市の「群馬の森」というところにある美術館です。建物の設計は2019年にプリツカー賞を受賞した建築家磯崎新!この建物は彼がその当時提唱していた建築概念が純粋なカタチとして表現されています。建築的にもたいへん評価が高く、開館した翌年の日本建築学会作品賞を受賞しています。 建築は12メートルの立方体を基準としたフレームが集積した構造となっています。これらの集合体が美術作品を取り巻くまさに額縁としてたとえられた空洞として想定されているわけです。多くの美術作品がおさめられているこの空間はその収容数によって流動的に変化し、増殖が可能な建物となっているわけです。

シアター棟・現代美術棟

この美術館は1994年のミュージアムショップやレストランがあるシアター棟、そして1998年の現代美術棟と、二度にわたる増改築を行っています。しかしながら建物に対する基本的な考え方とデザインを踏襲した増築を行ったことから、芝生広場からの外観はほとんど建築当初のままで違和感がありません。美術作品の収容数の変化によって増殖可能な立方体という磯崎新の建築概念は、これらによって立証されたといってよいでしょう!1998年増築の現代美術展示室は、本館同様、12メートルが基準となった立方体を4つ並べた巨大な展示空間が存在しています。それぞれの展示室は天井の高さも異なり、作品にあった空間を選択することができます。

設計:磯崎新アトリエ、中森紫光建築工房

※参考資料:新建築1998年7月号

まとめ

さて、今回は3つの分館のある美術館事例をあげてみました。もし東京に住んでいたり、また仕事の出張などの用事で上京するかたがいらっしゃったら、是非一番最初にご紹介した国立西洋美術館だけでも実際に足を運んで見学してみたらいかがでしょうか?

必ずやあなたの身になることでしょう!もし、忙しくて見学できない方でも参考資料を記載しておきましたので、図面や写真で確認してみてください!健闘をお祈りいたします!!

↓美術館事例と関連して「美術館の分館」の試験に関する予想についてを書いてみました。参考になりそうでしたらどうぞ!

【一級建築士製図試験】「美術館の分館」は本館建物と連結する?

-建築士という資格

Copyright© パウレタの建築設計仕事とその周辺 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.