来たる本日令和元年12月19日。どきどきしながら待っておられた受験者も多かったことでしょう。
令和元年度の一級建築士試験の合格発表(10月13日の製図試験実施分の受験者)がありました。
令和初の一級建築士が誕生するわけですね !合格されたみなさんおめでとうございます!
私もサイトでの発表を確認しながら、合格した当時の記憶がよみがえりました。
サイトにアクセスが集中してなかなかホームページが開くことができなかったり(今回も同様でした笑)。サイトがを開けたのはいいんだけどPDFがまたうまく開けなかったり笑笑。そして受験番号を追っていくときのどきどき感。そして自分の名前をみつけたときの瞬間のおたけび笑。あのときはうれしかったなあ。高校受験や大学受験に合格したときの倍うれしかった記憶があります。親にも「合格したぞ!」なんて電話したなあ。そして友達からの祝福のメール。う~ん泣けてきました。



全体的な結果内容について
例年のように一級建築士試験の合格者発表といっしょに全体の合格結果や基準等が建築技術教育普及センターのホームページに掲載されておりました。こちらをもとに私個人としての感想もふまえながらつらつら書いていきたいと思います。
※ダイレクトに結果のみを見たい方は建築教育普及センターのホームページをご覧になってください
合格率について
今年度は10月13日実施の試験においては実受験者数が4214人、そして合格者が1541人となり、合格の割合としては36.6%となっております。
この割合は昨年度の合格率41.4%とくらべると低くなっています。ここから昨年と比べ、試験の難易度が高かったというのが想像できます。


合格基準等について
採点結果については、例年どおりランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階で区分をなされておりました。
それぞれの割合は、以下のとおりとなっております。
ランクⅠ:36.6%
ランクⅡ:3.0%
ランクⅢ:29.2%
ランクⅣ:31.3%
ここからランクⅢ及びランクⅣに該当した人が多いことがわかります。
前年度(平成30年度)の割合が
ランクⅠ:41.4%
ランクⅡ:16.3%
ランクⅢ:16.5%
ランクⅣ:25.9%

ちなみに試験元はご丁寧にランクⅢ及びランクⅣの人がどのようなところで至らなかったのかについてを具体的にあげておりました。そのなかで私が気になったところとしましては、
・延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置
・防火区画(特に吹抜け部の1階部分の区画)
・直通階段に至る重複区間の長さ等
という、法令への重大な不適合が指摘されていた部分でしょうかね。法令に関しては厳しく見られたことが読み取ることができます。

今回の課題から具体例をあげますと特に展示室関係は無窓だと重複区間が短くなりますので、そこで引っかかった人も多いのかもしれませんね。
試験(10月13日実施分)の標準解答例について
こちらも例年のように一級建築士試験の合格者発表といっしょに全体の合格結果や基準等が掲載されておりました。
これらをもとに私個人がブログに掲載した解答と一緒に感想もふまえながらつらつら書いていきたいと思います。(※詳細な内容を確認されたい方は建築教育普及センターのホームページからダウンロードしてご覧になってみてください)



標準解答例①
1階は多目的展示室と展示室C、2階は展示室Aと展示室Bの展示部門、そして3階には創作アトリエとアトリエBが配置された構成となっています。


あと多目的展示室のような大空間の上に屋上庭園のような荷重のかかる空間はどうなのかという懸念もこの解答で解消されているのがわかりました。


標準解答例②
②はメインアプローチが東側オンリーのプランとなっています。本館側ですし、道路からと本館からのアプローチがきちんととれていればOKということなのでしょう。


階振りの構成としては1階に多目的展示室、2階に展示室A、B、Cをまとめて3階はすべてアトリエ系諸室。


②で私が気になったのは多目的展示室にホワイエがなくてもよいということですかね。多目的展示室は講演にも使用されるのであれば人をためて受け入れるホワイエは必要なのではないかなと思ったりしたのですが、エントランスホールが広くとれているならOKってことなんでしょうね。
その他
共通している内容として私が個人的に気になった箇所としては展示室のそれぞれの開口の有無ですかね。①、②どちらも多目的展示室は有り、彫刻を展示する展示室Aは有り、そして映像を展示する展示室Bは無し、絵画などを展示する展示室Cも無しということになっています。


あともうひとつありました。トラックヤード。これは私が行った串刺し駐車では減点なのでしょうね。


そして次。これは試験元が説明文章もつけておりますが今年度の試験で不十分な答案が多かった
・延焼のおそれのある部分
・防火区画等
に関する一つの考え方を標準解答例に示しています。


一級建築士の登録について
合格したみなさん、一級建築士は免許登録をしないと使用できませんよ。そしてそこにまたお金がかかります。


一級建築士登録申請はどこで行う?
平成20年11月28日から始まった新建築士制度により、今まで国が行っていた一級建築士の免許証の交付手続き等の登録事務は、公益社団法人日本建築士会連合会が行うことになっています。ですので登録申請受付の窓口は現在申請者がお住まいになっている都道府県の建築士会になります。
・一級建築士登録関係の費用
新建築士制度により、各種申請の際にかかる手数料等は以下の費用がかかってきます。
・免許登録申請(新規登録) :19,200円
・登録免許税(新規登録): 60,000円
どうです?びっくりしませんか?8万円近くまたお金がとんでいってしまうのですよ。


現在もそれが可能なのかどうかは日本建築士会連合会などにお問い合わせしてみてください。
とまあ、こちらでは登録場所と費用に言及したものかんたんにあげましたが、提出書類関係などの詳しい内容は公益社団法人日本建築士会連合会のホームページに掲載されておりますのでそちらをご覧ください。
まとめ:一級建築士という資格に見合った人材へ!
一級建築士は足の裏の米粒なんて言われたりします。あったらあったでなんでもないが、なきゃないで困るそんな資格。

まあしかし私たち一級建築士としては、資格に見合う仕事ができるよう、日々努力邁進していくのみです。一級建築士であるからこそのまわりが動いてくれることへの責任も発生してきますからね。
今年度合格されたみなさんも仕事をばりばり行って、一級建築士という資格に見合った技術者としておおいに活躍してください。今回は本当におめでとうございました。

参考資料)
・建築技術教育普及センターホームページ
・公益社団法人日本建築士会連合会ホームページ
↓その他一級建築士試験に関する記事を書いております。ご興味があればぜひ!!