建築実務入門

建築設計は接客サービス業!建築士が仕事で行う匂い対策

 クライアントとの設計打ち合わせは私たち設計者にとって非常に重要な時間です。ここをいかに充実したものにするかが、彼らとの信頼関係に影響を及ぼすことになるでしょう

 私自身、クライアントとの打ち合わせにおいては、その流れや雰囲気に気を配るよう神経を張り巡らせています。クライアントを少しでも不快な気持ちや集中を欠かせるものとなりやすいので気をつけています。

 前回シリーズのブログでは、見た目に関する要素を掘り下げてお伝えしてきました。

建築設計は接客・営業も仕事です!注意したい身だしなみポイント

 今回は見えない要素である「匂い」です。これは女性や会社の経営者のかたで気にされる方が多いです。私自身もどちらかというとにおいに関してはわりと神経質なほうなのですが、慣れというものはこわいです。日々過ごしているとあたりまえの感覚になってしまうものなのです。

 そこで一般的なものから設計事務所特有のものまでとりあげながら、原因と対策ポイントを共有できればと思います。

匂いのマイナス要素とその対策

設計事務所空間から発する不快な匂いをチェック!

 いつもいる設計業務を行っているオフィス空間。この場所は私たちが思っている以上に異様なにおいが混ざっている空間であると認識するべきであると思います。そのにおいのもとになるものをかんたんに以下あげてみましょう。

スタイロカッター

 建築模型では周辺の建物にスタイロを使う場合が多いです。その材料を切るスタイロカッターを使用しているときにそれが熱線で溶けて発するにおい。これはなかなかきついものがあります。いかにも体に悪そうな匂いといいましょうか。私たち設計者も不快に感じる匂いである以上、クライアントなど事務所に訪れる人もそうであるに違いありません。

スプレーのり

 これも建築模型であったりプレゼンボードを作成するうえで必需品です。ここから発する匂いも化学的でいかにも体に悪そうです。スプレーのりに関してはオフィス内部ではなく外に限定して使用するようにはしていますが使用した成果品は事務所にけっきょく戻ってきますのでその匂いはある程度残ります。これも要チェックです。

スチレンのりやボンド

 これらも建築模型を制作するためにはなくてはならない必需品です。使用する際にはちょっと酸っぱいにおいを発します

パウレタ(一級建築士)
上記の2つほどは不快なにおいは発しません。私はわりと平気です。とくにスチレンのりのにおいはちょっと甘酸っぱい感じでどちらかというと好きであったりもします

君が好きかどうかではなく、クライアントがどう感じるかが大切だぞ
先輩(一級建築士)

パウレタ(一級建築士)
ですね。すみません

先輩がおっしゃるように、私たち設計者側がどうかということではなく、クライアントがどう感じるかが大切です。気をつけたいところです。

 上記3つの対策としては、打ち合わせぎりぎりまで建築模型の制作作業を行わないスケジュールをこころがけています。余裕をもって打ち合わせの資料や材料を準備することが、自分らにとっても良いですし、もちろんクライアントにとっても良いということです。

ほこり

 設計事務所は書類をはじめ、建築雑誌や専門書、カタログ、建築模型など、多くのものであふれかえっている空間です。であるからこそ、ほこりはきちんとなくすように掃除はしておきたいです。

建築設計という仕事はクライアントの要望をきちんと整理整頓する作業でもあります。自分のこともできていないのに人さまのことができますか?常に自分に問いかけています。

インスタント食品をはじめとする匂い

 スタッフ、もちろん私自身もそうですが、昼にてっとり早くカップラーメンでごはんを済ます場合があります。

パウレタ(一級建築士)
これ注意です

食べている本人は気づきませんが、それ以外の人にはかなり気になる匂いです

パウレタ(一級建築士)
実際に自分が食べずに部屋にはじめて入ったときのあの感じは正直きついですね。食べ物以外の異臭感を感じることもあります。あれを消すのはけっこう苦労しますよ

でも不思議と私たちはそのにおいに適応し慣れてしまっているわけです。打ち合わせ前はにおいの発する食べ物は事務所内ではやめるようにこころがけています。

上記のことは前提で、基本は窓を開けて換気をまめに行いながら、あとは空気清浄機を使用しています。新鮮な空気と匂いでクライアントをお招きすることを常にこころがけていきましょう!

パウレタ(一級建築士)
ちなみにうちの事務所内は禁煙としています

自分の体臭もをチェック!

男性は基本汗臭いという認識でいたほうが良い

 上記のタイトルは私自身が男性であるという視点から書いています。女子力とかそういうものではなく、対人のためのエチケットレベルとして意識してほしいという意味で書いています。

 でも男の子は赤ちゃんのときですらもう汗くさいです(笑)。これは自分の子供で身をもって感じています。

パウレタ(一級建築士)
基本男性はくさいんですよ。これはいい意味でも悪い意味です(笑)

私自身、スポーツを学生時代やってましたので、帰ってくると母親から「汗臭い汗臭い」と言われていました。

 とはいえ、それを香水などでごまかすのはNGですね。ちょっとワックスやジェルなどの整髪料やシャンプーの香りが少しだけ残っているくらいならいいですが香水は好き嫌いがあるのであまりやらないでほしいという意見が身近な女性陣からの意見でしたあ。

自分のにおいをどう確認するか?

 どういうかたちで自分が確認するかも方法として決めておいたほうがいいですよね。何も情報がない人間が事務所に入ってきたときにどう感じるかというのはとても大切なことです。逆に悪い印象は残さないようにしよう奥さんや恋人などできれば異性に確認をしてもらって意見をもらうのが一番です。少し恥ずかしいですが、これもクライアントに気持ちよく打ち合わせを行ってもらうためです。いただいた意見を大いに活用してゆきましょう!

匂いのプラス要素とビジネス活用

 私は大人になるまで、においはマイナス要素以外ないものだと思ってすごしていました。

パウレタ(一級建築士)
まだ青かったわけです笑

でもそれがいい香りであれば、人は心地よかったり、リラックスしてくれたりするものであるということがわかりはじめました。成長したなと思います笑。

木のにおいとその効果

 私自身、設計作品で木を多用しています。私のクライアントは木の風合いが特徴の建物を望んで来られています。ですのでそういう雰囲気づくりを事務所の内装に施しています。

パウレタ(一級建築士)
木のある空間って気持ちいいですよね。木のにおいは何か安らぎを与えてくれるものがあります

 木材にはフィトンチッドというリラックス効果をもたらす成分が含まれています。血圧を下げたり、脈拍の乱れを少なくするなどの自律神経を安定させる効果が実験で確認されています。しかも悪臭を消す天然のデオドラント効果の役割もあったりします。

パウレタ(一級建築士)
たとえば住宅空間の存在するシックハウス症候群の原因とされているホルムアルデヒドを吸収して減らす働きがあることがわかっています

 他にもにおいと関係してくるところでお伝えしますと、木材は湿度が上がると水分を吸収し、下がると水分を放出する調湿効果があります。これによってカビやダニが発生しづらい空間となります。また前述したフィトンチッドは防菌・防ダニにも有効で、保育園や学校などの教育施設においては、空気を浄化する木の特性と調湿効果によって、インフルエンザによる学級閉鎖が減少したという報告例もあります。

パウレタ(一級建築士)
保育園や学校建築の提案には必ず上記のような文章をつけていますね

名刺に残すにおい

 私のよくしていただいている弁護士の方がいらっしゃるのですが、その人は仕事でよく女性が依頼人であることが多いそうです。

 彼が何をしているかというと、まず名刺に香りをつけるということをしていました。匂いつきの名刺を自分で発注しているそうです。匂いの継続期間としては、数ヶ月程度はもつとのことでした

 これは渡した相手に匂いを感じてもらうことで印象を残すことが目的です。あとはその名刺の匂いで思い出してもらえるということの効果が大きいようです。名刺交換する相手は基本的に初対面でありますので、どう印象を残すかというのも大事なのだということです。

嗅覚は五感の中でも記憶と密接に結びついている感覚であるというのは聞いたことがあります。

プルースト効果だね
先輩(一級建築士)

それがビジネスにつながるかどうかに関係してくるということですね。営業効果としてはいいアイテムかもしれません。

ちなみにその人の名刺からは白檀(ビャクダン)という香木の香りがしましたね。アロマオイルなんかにも使われているようです。なんかこう甘い大人な感じというんですか、落ち着くような香りでした。

ハーブティ打ち合わせもリラックス

 クライアントとの設計打ち合わせにおいて、のどを潤す飲み物は必需品です。

 いろいろお互いしゃべってしまうのでついつい飲み物に手がでますよね。そして打ち合わせにおいては私もクライアントもお互い緊張していまいがちです。できるだけ私も会話などでそれをほぐそうと努めてはおりますが、何か他に手っ取り早く効果をもたらす方法はないかなと考え悩んでいました。そのときに試してみたのが打ち合わせの飲み物でハーブティを試してみたことですね。

 もともとカフェインがそんなに好きではない私にとってはカフェインレスのハーブティがあっていましたね。

パウレタ(一級建築士)
カフェインは利尿作用もあってなんかトイレも近くなりがちですし、なんかいい飲みものないかなと思って探したのがハーブティでした

 この選択肢はけっこう女性のクライアントに喜ばれることも多かったですね。住宅の設計ですと妊娠されている方もいらっしゃるのでそういうかたにも喜ばれます。それだけで少し打ち合わせの空気がなごんでいきますよね。

パウレタ(一級建築士)
コーヒーや緑茶もいいのですがこういう選択肢もなかなかいいですよ

まとめ

 今回はにおいという要素についてお話しましたが、私自身、失敗や成功を繰り返しながら、よりよい仕事が行えるように日々試行錯誤している毎日です。

 そこからわかったこととしては、やはり不快なにおいを極力なくすということに重きをおいています。そしてプラスアルファのにおいの効果は自然で第三者が気にならない程度の配慮を心掛けています。

 これは私自身の個人的見解も大きいのかもしれませんが、基本は無臭に近いのが日本的にはベストなのではないかなと思ったりしますね。たしかにいい匂いを発するような配慮も悪くはないのですが、やや強いと体調によっては不快なものに感じることも多いはずです。

 良い建築空間をつくるためにはよい関係をクライアントと作り上げる。あくまでも人間同士の関係性をどう構築する材料として、においという要素があるべきかを考えてみてはいかがでしょうか。

パウレタ(一級建築士)
こういう見えない気づかいが仕事を良い方向に導きますよ!

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